2024年は、クレドールが誕生した50周年にあたる。この節目の年に「叡智II」より、“珠玉”と呼ぶにふさわしい限定モデルが登場した。叡智IIを象徴する磁器ダイアルに、瑠璃金彩を取り入れたモデルだ。本作は2024年6月8日(土)より、30本限定で販売される。
クレドール「叡智II」瑠璃金彩ダイアル
クレドールは、1974年にセイコーウオッチから発売された。金、プラチナなどの貴金属を素材に用いる「特選腕時計」として登場した時計で、以降、日本発のドレスウォッチとして、さまざまな名作が世に送り出されてきた。なお、クレドールはフランス語で「黄金の頂き(CRÊTE D'OR)」を意味している。
「叡智II」も、そんなクレドールの名作のうちのひとつだ。2008年に誕生した「叡智」の進化版として14年に登場したコレクションで、マイクロアーティスト工房の卓越した技能によって、日本人の感性に訴える繊細な美しさを突き詰めた“究極のシンプリシティー”を体現している。そんな叡智IIから、クレドール50周年の節目にあたる2024年、瑠璃金彩をダイアルに取り入れた、珠玉と呼ぶにふさわしい限定モデルが登場した。
手巻きスプリングドライブ(Cal.7R14)。41石。パワーリザーブ約60時間。18KYGケース(直径39mm、厚さ10.3mm)。30m防水。世界限定30本。660万円(税込み)。
本作の最大の特徴は、ダイアルだ。叡智IIは「ポーセリン」と呼ばれる磁器ダイアルが採用されており、丸みと透明感を感じる表情を持つ。このダイアルはガラス質の釉薬を高温で焼成することで製造されており、溶けたガラスが、表面張力で緩やかな曲面を演出するのだ。また、冷えて固まることで、ポーセリンならではの柔らかな表情となる。さらに本作のダイアルは、江戸時代に献上品や輸出品として盛んに作られていた「瑠璃金彩」を、現代技法に応用したうえで作り上げられた。
本作は、独自に融合した釉薬によって、深みをたたえた瑠璃色のダイアルに、ロゴやインデックスへ新たな技法で金彩を施している。金彩部分は立体的に見えるよう、職人がひとつひとつ、筆を使ってロゴ、インデックスが盛り上がるように下地を描く。焼成後、この下地を金で覆うことで、金彩を実現しているのだ。熱に敏感な金を扱うことは高度な技術力が求められる。しかし叡智IIでは、本コレクションならではの審美性と視認性を両立したダイアルを備えた。磁器ダイアルは見る角度によって、色彩を変える。この表情の変化に金色が加わることで、華やかな存在感を放つ意匠となった。
手巻きスプリングドライブCal.7R14
叡智IIの50周年記念モデルに搭載されるムーブメントは、従来のモデルと同じく手巻きスプリングドライブCal.7R14だ。スプリングドライブはセイコー独自のムーブメントで、機械式時計のトルクの強さを備えつつも、クォーツ式時計のように高精度を誇る機構だ。また、トルクリターンシステムを有しており、主ゼンマイがめいっぱい巻き上げられている、トルクの強い状態の際の約35時間はこのエネルギーを活用して、主ゼンマイ自らを巻き上げる。そのため本作は、約60時間という実用的なパワーリザーブを備えている。
また、ケースバックがトランスパレント式となっているため、Cal.7R14の意匠を目で見て楽しめるのも所有欲を刺激する点だ。受け板やルビー、ネジの穴周りの面取りは手作業で仕上げられている。特徴的な香箱は、マイクロアーティスト工房が位置する長野県塩尻市の花、桔梗がモチーフだ。テンパー仕上げによって鮮やかな青をまとうパワーリザーブインジケーターの針やネジが、本作の美観を押し上げている。
本作の税込み定価は660万円。2024年6月8日(土)より、30本限定で販売される。
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