セイコーから「クレドール 50周年記念 ゴールドフェザー U.T.D. 彫金限定モデル」が発表された。本作はクレドール誕生50周年を記念するにふさわしく、クレドールの彫金師である照井清が手掛けた、四層に連なる彫金ダイアルを備えたモデルである。
「クレドール 50周年記念 ゴールドフェザー U.T.D. 彫金限定モデル」が登場
「クレドール」誕生50周年を記念して、セイコーから「クレドール 50周年記念 ゴールドフェザー U.T.D. 彫金限定モデル」が発表された。実用的な薄型ドレスウォッチを意味するU.T.D.を名に冠する通り、時計のケース厚は8.7mmと、薄型の「ゴールドフェザー」をベースに、四層構造ダイアルが組み合わされている。
ダイアルには、時の流れを水の流れに見立てた彫金が施された。この流れがムーブメント側に施された彫金のデザインへとつながるストーリー性のあるモデルとなっている。なお、彫金を手掛けたのは、クレドールの彫金師である照井清だ。
手巻き(Cal.6890)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約37時間。Ptケース(直径37.4mm、厚さ8.7mm)。日常生活用防水。世界限定5本。1650万円(税込み)。 9月7日(土)発売予定。
「特選腕時計」として始まったドレスウォッチブランド「クレドール」60周年記念モデル
クレドールは、1974年に金やプラチナなどの貴金属を素材に用いる「特選腕時計」として誕生し、45周年となる2019年にセイコーブランドから独立して運営されている。同様にセイコーから独立したブランドである、「グランドセイコー」が実用性と審美性を高めたラインナップを展開するのに対し、クレドールはよりドレッシーでエレガントなモデルを擁するのが特徴だ。また、1960年代からクレドールが誕生した1970年代にかけて、薄い仕立てが高級時計の代名詞とされた背景もあり、薄型のモデルを並べる点も特徴となっている。
今般発表された「クレドール 50周年記念 ゴールドフェザー U.T.D. 彫金限定モデル」のベースとなったのは、かつて薄型時計として人気を集めたゴールドフェザーを60余年ぶりに復刻したモデルである。この復刻モデルは、羽のように薄く、軽やかで、空気をはらみ、艶やかで、優美であることをコンセプトとして、現代のドレスウォッチとしてふさわしいスペックとデザインにアップデートされたU.T.D(Ultra Thin Dress)モデルとなっている。
四層構造の彫金ダイアルに注目
記念モデルの特別な意匠として本作に与えられたのが、クレドールの彫金の第一人者の照井清による四層構造のダイアルだ。デザインテーマは、「万物流転(ばんぶつるてん)」。あらゆる存在は時の流れとともに変化して極まりないことを意味する「Panta rhei(パンタレイ)」である。パンタレイはとめどなく移り変わる時の概念も示す言葉であり、その様子を本作では水の流れとして表現している。
本作は、一粒の雫が水面に放たれ、波紋となって広がる様を四層に重ねた彫金ダイアルで表現している。これは、それぞれのプレートに彫金を行いながら、四層を重ね合わせたときにつながりのある模様に仕立てられたもので、ケース厚8.7mmと薄い仕立ての中に、従来モデルでは見られないような立体感が与えられている。
ムーブメントにも施された特別な彫金
照井は、水の流れを時の流れに見立てるのと同時に、未来に向けてさらなる歩みを進めるクレドールの志を重ねて表現している。そして、その流れはケースバック側から鑑賞できる手巻きムーブメントCal.6890への装飾につながる点も、本作の見どころだ。ムーブメントへの彫金はクレドールの「未来への発展」をテーマとし、一粒の雫から始まった水流が、やがて大河へと成長する様子を、波や水飛沫によって表現している。
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