クレドール50周年、「ロコモティブ」が復活! ジェラルド・ジェンタの仕事をセイコーが再現

NEWSニュース
2024.05.30

1974年、セイコーの「特選腕時計」として誕生したクレドールは、2024年で50周年を迎える。この節目の年に、クレドールより「ロコモティブ」がリリースされた。ジェラルド・ジェンタがデザインを手掛けたこの名作を復活させたモデルは、世界限定300本が販売される。発売日は8月9日(金)が予定されている。

セイコー クレドール ロコモティブ


セイコーより2024年新作モデルとして「クレドール ロコモティブ」が発表!

 セイコーは2024年5月30日、クレドール50周年記念として「クレドール ロコモティブ」を発表した。本作は、1979年に発売されたセイコーの高級なアクティブウォッチ「ロコモティブ」を復活させたモデルであり、このロコモティブはジェラルド・ジェンタがデザインを手掛けた。

セイコー クレドール ロコモティブ

クレドール「50周年記念 ロコモティブ 限定モデル」Ref.GCCR999
自動巻き(Cal.CR01)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。ブライトチタンケース(直径38.8mm、厚さ8.9mm)。10気圧防水。世界限定300本(うち国内200本)。176万円(税込み)。2024年8月9日(金)発売予定。

 クレドールは1974年、金やプラチナなどの貴金属のみを素材に用いる「特選腕時計」として誕生した。クレドールはフランス語で「黄金の頂き」を意味している。2019年より独立ブランドとして展開されており、薄くエレガントなモデルや、彫金や漆芸、七宝などといった、日本の伝統工芸で用いられてきた、匠の技術を活かしたモデルなどが現行ラインナップを彩っている。

 本作は、このクレドール誕生50周年を記念して打ち出された最新作。定価は176万円。また、300本の数量限定モデルとなっており、うち国内では200本が販売される。発売日は2024年8月9日(金)が予定されている。


ジェラルド・ジェンタがスケッチしたデザイン画を再現

セイコー クレドール ロコモティブ

ジェラルド・ジェンタがロコモティブの開発時にスケッチした、オリジナルのデザイン画。新作クレドール ロコモティブの復活に際し、セイコーウオッチでは、このデザイン画から彼の思いをくみ取ったという。

 オーデマ ピゲの「ロイヤルオーク」やパテック フィリップの「ノーチラス」、IWC「インヂュニアSL」など、現在にも続く、さまざまな傑出した腕時計のデザインを手掛けたジェラルド・ジェンタ。セイコーのロコモティブも、彼の仕事のひとつであった。セイコーによると、彼はロコモティブの開発にあたって、何度も日本を訪れて、同社と親密な関係を築いていったという。Locomotiveには「機関車」「牽引力となるもの」という意味があり、ジェラルド・ジェンタが「クレドールを牽引し、未来を担うモデルになってほしい」という願いを込めて、ロコモティブの名前を与えた。なお、蒸気機関車は、このモデルのモチーフでもある。

セイコーからリリースされた、ジェラルド・ジェンタの夫人であり、ビジネスパートナーでもあったイブリン・ジェンタの言葉を掲載する。「亡き夫は、常にアジアの国や文化に親しんでおり、何度も日本を訪れる中で、その文化、特に職人たちの技を極めようとする姿勢、細部へのこだわり、一目置かれる高度な技術を愛し、セイコーのために働けることを光栄に思っていました。そんな彼ですから、この作品が蘇ることを知ったら、きっと喜ぶと思います。」

 そんなジェラルド・ジェンタに敬意を払って、セイコーはロコモティブの復活において、彼が実際にロコモティブをデザインする際に描いていたスケッチを基に、当時の技術では実現できなかった意匠やディテールを再現している。

1979年に発売された、オリジナルのロコモティブ。ジェラルド・ジェンタのデザインというと八角形がイメージされるが、本作のケースやベゼルは六角形が与えられた。

 オリジナルの六角形ケースやベゼル、このベゼルにあしらわれた特徴的なネジ、4時位置のリュウズ、そして六角形の中駒を配したブレスレットなど、往年のロコモティブらしい意匠を新作モデルで再現。

 一方で、オリジナルモデルにはなく、デザイン画から踏襲したディテールにも注目したい。12時位置のインデックスは、スケッチ画通りに2本へと変更。また、リュウズの位置も、オリジナルは4時位置から少しズレて搭載されていることに対して、スケッチ画に忠実に、4時ちょうどの位置へ配された。

セイコー クレドール ロコモティブ

立体的なインデックスやジェンタ針が、本作の文字盤をいっそうアイコニックに仕上げている。秒針はしっかりとミニッツサークルまで届いているのも好ましい。

 グレーがかったブラック文字盤は、蒸気機関車から吹き出す蒸気のようなパターンが施されており、このパターンもスケッチ画を再解釈して作成したレンダリングに基づき、いっそう繊細に、約1600本の線を、1本ずつ機械で彫刻することで実現した。


セイコーの現代技術が投入された新生クレドール ロコモティブ

セイコー クレドール ロコモティブ

ヘアライン仕上げ、ポリッシュ仕上げがコンビネーションされたケース。ケースバック側のサイドにもポリッシュ仕上げが与えられている。

 オリジナルがステンレススティール製であったことに対して、本作ではケース、ブレスレットの素材にブライトチタンが採用された。軽量なこの素材を用いることで、優れた装着感が備わっている。なお、ブライトチタンであってもオリジナルのアイコニックな意匠を再現していることは、前述の通り。また、全体的にヘアライン仕上げが施されていることに加えて、ベゼルからケースサイドにかけて、そしてブレスレットの面取り部分はポリッシュに仕上げられた。

セイコー クレドール ロコモティブ

素材にブライトチタンが使われているため軽量で、装着感は快適だ。また、コマ同士には適度に遊びが与えられている。

 搭載するムーブメントは、クレドール専用の薄型自動巻きメカニカルCal.CR01。クォーツ式であったオリジナルと同様に、ケース厚は9mm以下に抑えられた。

 このように、現代によみがえったクレドール ロコモティブは、ジェラルド・ジェンタの仕事をいっそう忠実に再現しつつ、現代のセイコーウオッチが誇る技術力によって、現代的な進化を果たしているのだ。

 なお、2024年6月6日(木)発売の『クロノス日本版』では、小誌編集長の広田雅将がこのクレドール ロコモティブについて書いているので、乞うご期待!



Contact info:セイコーウオッチお客様相談室(クレドール) Tel.0120-302-617


2024年 セイコーの新作時計を一挙紹介!【クレドール、プロスペックスなど】

https://www.webchronos.net/features/112342/
ジェラルド・ジェンタの全仕事

https://www.webchronos.net/iconic/17806/
グランドセイコーとクレドールって違うの? モデルから見るそれぞれの特徴

https://www.webchronos.net/features/43886/