IWC「ポルトギーゼ エターナル・カレンダー」が、「最も精密なムーンフェイズの腕時計」としてギネス世界記録に認定された。約4500万年に1日しか誤差が生じない本作の超高精度なムーンフェイズが、従来の記録を4,300万年以上も上回る快挙を成し遂げたのだ。
IWCのムーンフェイズ製造技術が結実した「ポルトギーゼ エターナル・カレンダー」
IWCが2024年の新作として発表し、注目を集めた「ポルトギーゼ エターナル・カレンダー」。本作は、グレゴリオ暦に基づく閏年のルールを忠実に再現したセキュラーカレンダー、そして約4,500万年に1日しか誤差が生じない超高精度なダブルムーンフェイズを搭載したモデルだ。直径44.4mmのプラチナ製ケースを採用し、ダブルカーブボックスサファイアクリスタルの下に、ホワイトラッカーを塗布したサファイアダイアルを備えている。
4年に一度の閏年を判別するだけではなく、その例外として100で割り切れる年は平年、400で割り切れる年は閏年とするというグレゴリオ暦のルールを機械的にプログラムされたセキュラーカレンダー搭載モデル。さらに、約4500万年に1日しか誤差が生じない超高精度なダブルムーンフェイズを搭載している。自動巻き(Cal.52640)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約7日間。Ptケース(直径44.4mm、厚さ15mm)。5気圧防水。要価格問い合わせ。
そのポルトギーゼ エターナル・カレンダーが2024年6月、「最も精密なムーンフェイズの腕時計」としてギネス世界記録に認定された。先述したムーンフェイズの精度は、詳しくは4536万1055年に1日の誤差というレベルだ。これは、これまで登録されていたギネス世界記録を4300万年以上も上回るものであり、まさに桁違いの記録更新となった。
さらに驚くべきは、本作のムーンフェイズの高精度化が、たった3つの中間車で実現されていることだ。それ以外は基本的に従来の機構を踏襲しており、IWCらしい堅実な設計にまとめられている。
同社は本作に至るまで、幾重もの試行錯誤を重ね、その技術を高めていった。1985年の「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ」では122年に1日であったムーンフェイズの精度を、2003年の「ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー」では577.5年に一度に向上させた。1985年の段階で、すでに人の一生を越えるほどの精度を達成していたにもかかわらず、その後も技術の研鑽を重ねていった点に、同社の職人気質な性格を感じる。ポルトギーゼ エターナル・カレンダーもやがて、1つの通過点となるのかもしれない。
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