ブレゲが2023年に発表した第4世代「タイプ XX」のコレクションに、ブルーのセラミックスとローズゴールドを用いた新作が加わった。18Kローズゴールド製のケースに、ブルーのセラミックスを用いたゴールド製の両方向回転ベゼルを組み合わせ、文字盤にはベゼルと調和したサンバースト仕上げのブルーが採用されている。
18Kローズゴールドとブルーのセラミックスがもたらすエレガントな輝き
ブレゲが2023年6月に満を持して発表した第4世代の「タイプ 20 2057」および「タイプ XX 2067」は、1955年にブレゲがフランス空軍に納入したモデル(モデル名がアラビア数字)と、それをもとに作られた民間用モデル(モデル名がローマ数字)をデザインのモチーフにしていた。大きな注目を集めた第4世代の発売から1年を経て、ブレゲは新たに「タイプ XX」のゴールドモデルをコレクションに加えた。インスピレーションの源は、1955年に3本だけ制作された第1世代の「タイプ XX」(1本)と「タイプ 20」(2本)のゴールドモデルである。
自動巻き(Cal.728)。39石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ14.1mm)。10気圧防水。572万円(税込み)。
18Kローズゴールド製ケースとブルーの文字盤
新作の「タイプXX」は直径42mm、厚さ14.1mmの18Kローズゴールド製のケースを持ち、ブルーのセラミックスのリングを組み込んだゴールド製の両方向回転ベゼルが、サンバースト仕上げを施したブルーの文字盤に見事に溶け込んでいる。3時位置の15分積算計、6時位置の12時間積算計、9時位置のスモールセコンドはそれぞれサイズが異なり、文字盤上のコントラストを高めるために3つのカウンターにはモチーフがあしらわれている。
またゴールド製の針とアプライドインデックスには蓄光塗料が施されるなど、ブレゲはラグジュアリーなゴールドモデルであっても、パイロット・ウォッチとしての視認性を疎かにせず、デザインの細部には抜かりがない。10気圧の防水性や、4時と5時のインデックスの間にさりげなく置かれるデイト表示は、この時計の実用性を高めている。
「フライバック」機能付きクロノグラフムーブメントCal.728
ムーブメントはステンレス製のモデルと同様に、ブレゲが4年の歳月をかけて開発した「フライバック機能」付きクロノグラフムーブメントCal.728が搭載される。ストップ、リセットを省略して、ワンプッシュでクロノグラフの再計測が可能なフライバックは、1950年代の電波航法のフライトには欠かすことのできない機能であり、発注者であるフランス空軍が強く求めるスペックであった。ブレゲは「タイプ XX」のアイデンティティとも言えるフライバックに特化したムーブメントを第4世代のために開発し、針飛びを起こしにくい垂直クラッチを備えた、3万6000振動/時の高振動ムーブメントCal.728を生み出した。
約60時間のパワーリザーブは、クロノグラフのムーブメントとしては充分な長さだろう。パイロットウォッチであっても、ムーブメントにはブレゲらしい緻密な装飾が見られる。サンバースト、スネイル、面取り、ペルラージュといった伝統的な仕上げのほか、飛行機の翼を模った自動巻きのローターやクロノグラフの要となるコラムホイールにはブラックDLC処理が施され、時計のスポーティな性格を際立たせている。
ブレスレットは、ナイトブルーのアリゲーターストラップとNATOストラップが2本付属し、それぞれに18Kローズゴールド製のピンバックルが付けられている。「インターロッキングシステム」の採用により、工具なしで簡単にストラップを交換、固定することが可能となっている。
ブレゲCEOのリオネル・ア・マルカが「ステンレススティール製モデルを発表した後、普段ゴールドを身につけられているお客様のためにゴールド製モデルを用意することが必須でした」と語っているように、ゴールド製の華やかな「タイプ XX」を待ち望む声は多かったに違いない。大空に夕陽が輝いているかのようなローズゴールドとブルーの組み合わせは、パイロットウォッチ「タイプ XX」のスピリットになによりふさわしい新色と言えるだろう。