2024年のジュネーブ・ウォッチ・グランプリ（GPHG）に、パルミジャーニ・フルリエから6本もの新作モデルがノミネート

ジュネーブウォッチグランプリ（GPHG）2024の授賞式が2024年11月13日（水）に行われる。授賞式では、ノミネートされたブランドの中から、各部門における最高峰のウォッチメイキングを象徴する時計が表彰される予定だ。パルミジャーニ・フルリエが出品した時計は、GPHGアカデミー会員に認められ、すべてての参加ブランドの中で最多の6本が、この11月の最終選考に進むこととなった。この成果は、2021年から進めてきた同ブランドのアイデンティティーとコレクションの再構築が実を結んだ証しであろう。

GPHG2024、いよいよ11月に授賞式へ。パルミジャーニ・フルリエのノミネート作品とは？

　2024年11月13日（水）、ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ（GPHG）の授賞式が開催される。パルミジャーニ・フルリエからは、合計6本もの新作モデルがノミネート。その一覧と、出品部門を紹介しよう。

メンズ部門：「トリック プティ・セコンド」

　新作の「トリック プティ・セコンド」は、「メンズ部門」でノミネートされた。ケースはもちろん、18Kゴールド製のムーブメント、ゴールド製のダイアル、ゴールド製の針とインデックス、ヌバック加工のストラップ、そしてそこに付属するプラチナ製バックルに至るまで、すべて貴金属でつくられている。また、ゴールドプレートを飾るコート・ド・フルリエのギヨシェや、職人の手によるグレイン仕上げのダイアルなど、最高の手仕事で、伝統的な仕上げ技術を駆使してつくられているのだ。
　
　トリックプティ・セコンドのプラチナモデルは、モダンでありながらクラシカルな意匠を備えており、ウォッチメイキングの基準を極限まで押し上げ、価値が進化し続ける「ラグジュアリー」に新たな定義を与えようとしている。このコレクションは、男性的な「洗練の基準」の進化を表現するコレクションであると同時に、タイムレスなクラフツマンシップにさりげなく自由な装いを組み合わせている秀作だ。

タイムオンリー部門：「トンダ PF マイクロローター ノーデイト」

　不必要なものすべてを取り除き、本質を生かした「トンダ ＰＦマイクロローター」のノンデイトモデルは、「タイムオンリー部門」にノミネートされた。統一感のある引き締まったライン、最上級の仕上げ、マイクロローター搭載の薄い自動巻きムーブメント。本作が体現しているのは、純潔でミニマルな美観に沿うモダンなデザインの「型」と言えよう。メゾンの機能的で色彩豊かなスタイルを踏襲し、卓越した職人の仕事と最高峰の仕上げを掛け合わせた、純粋に時計を楽しむ愛好家に向けたモデルだ。日付窓のない「ゴールデン・シエナ」カラーのダイアルは、フォルムと機能の調和が徹底して考慮されたデザインである。

レディース部門：「トンダ PF オートマティック」

　レディース部門でノミネートされている「トンダ ＰＦ オートマティック」は、壮麗さと繊細さを兼ね備えている。リュウズからブレスレットの側面を貴石でたどるようなデザインがこのコレクションのビジュアルアイデンティティーを最大限に表現し、ブレスレットの流れるような美しいラインを強調している。ブレスレットの外側に配されたブリリアントカットダイヤモンドは、このコレクションならではの特徴で、18Kゴールド製ケースに完璧にフィットするように、ひとつひとつ異なるサイズの石がセットされている。

　ベゼルはブリリアントカットのダイヤモンドで飾られている一方で、バックルはダイヤモンドで覆われ、18Kローズゴールドのロゴだけが見えるようにデザインされている。レディースウォッチとしては稀有であり特筆に値するのは、ダブルバレルの自動巻きムーブメント、手彫りのギヨシェダイアル、卓越した仕上げのブレスレットなど、ジュエリー作品でありながらも腕時計としての、技術的な精密性と巧みな技術力を損なっていないことだ。

クロノグラフ部門：「トリック クロノグラフ ラトラパンテ」

「トリック クロノグラフ ラトラパンテ」は最高峰のウォッチメイキングの技と腕の真髄によって、クロノグラフ部門にノミネートされた。この18Kローズゴールド製の新作モデルは、グレイン仕上げのダイアルの下に、ダブルコラムホイールを組み込んだ3万6000振動／時のハイビートスプリットセコンドクロノグラフを搭載している。なお、このムーブメントは18Kローズゴールド製だ。ヌバックのストラップにも最高級の仕上げが施されているのも、特筆すべき点だ。アラベスクのようなスケルトン加工の構造要素は、負荷に強く、動くパーツを鑑賞できる余地を十分に残している。ハイエンドウォッチメイキングにおいても、ゴールド製ムーブメントは非常に稀であろう。

スポーツ部門：「トンダ PF スポーツクロノグラフ」

　スポーツウォッチの本質と性質を備えつつも、審美家のためのエレガントな時計として位置付けられる外観と仕様を備えた新作が、この「トンダ ＰＦ スポーツクロノグラフ」だ。アークティックグレーで装う本作は、スポーツ部門でノミネートされた。ニュアンスカラーの新鮮な色合いと、ダイアル、カウンター、ストラップのコントラストが特徴的だ。機能面がスポーツに適しているのはもちろん、見た目はカジュアルでシックにまとまっている。

「トンダ PF スポーツクロノグラフ」のすべての要素が、日常から逃れ、週末や享楽的にくつろぐ時間を予感させる。クロノグラフ機能と一体型となった、3万6000振動／時のハイビートな自社製ムーブメントは、COSC（スイス公式クロノメーター検定機関）の精度認定を受け、同時にゆったりと特別な時間を楽しむのに充分な約65時間のパワーリザーブを備えている。

　光を効果的に捉える「三角形の釘」パターンのギヨシェで飾ったダイアル、同色でそろえたミニッツトラックのフランジとカウンター、パルミジャーニ・フルリエの特徴であるローレット加工のベゼルなど、パルミジャーニ・フルリエが手掛けたすべての作品と同様に、その仕上げとディテールに細心の注意が払われている。ストラップにもパルミジャーニ・フルリエの系譜が受け継がれ、テキスタイルのような洗練された質感を持ち、馬具職人が皮革の加工に用いるようなスティッチで仕上げられている。

カレンダー＆アストロノミー部門：「トンダ PF ヒジュラ パーペチュアル カレンダー」

「トンダ PF ヒジュラ パーペチュアルカレンダー」は、ウォッチメイキングが私たちの時間に対する認識を形成してきた歴史、文化、哲学を知る窓になることができ、またそうあるべきだというミシェル・パルミジャーニの信念の証しだ。暦は文明を映す鏡であり、このヒジュラ暦を備えたコレクションでは、8世紀のムスリムの学者や天文学者によってつくられた表形式のイスラム暦を、時計で表現した。ヒジュラ暦の最初の年は、預言者ムハンマドによるメッカからメジナ（現在のサウジアラビア）へのヒジュラ（アラビア語で「移住」の意）を記念して定められ、グレゴリオ暦の622年に相当する。太陰暦であるヒジュラ暦は30年周期で、29日か30日の12カ月で1年が構成される。この30年周期は、19の平年（1年は354日間）と、11の閏年（1年は355日間）からなっており、これらの込み入った情報すべてをビリジアングリーンのダイアル上で表示する。

「トンダ PF シィアリーカレンダー」やグレゴリアン暦の「トンダ PF アニュアルカレンダー」と同様に、「トンダ PF ヒジュラ パーペチュアルカレンダー」は主要な文明の伝統に対する敬意を表する作品である。