ジャガー・ルクルトの「レベルソ」シリーズに新しいバリエーションが追加された。それは、1931年のオリジナルのレベルソのサイズに近い「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」や、「レベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨン」にグレーの文字盤を備えたステンレススティールモデルだ。そして18Kピンクゴールド製ケースを備え、ブルーとダブルインデックスが配されたシルバーの「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」である。
ジャガー・ルクルトのレベルソに新しいモデルが追加
ジャガー・ルクルトは、アールデコデザインの汎用性と時代を超えた現代性を強調する新しいモデルで、レベルソの創造的な世界を拡大し続けてきた。「レベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨン」、および「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」には新しいバリエーションが、「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」には男女兼用で使用できる新サイズが登場する。
レベルソ・トリビュート・モノフェイス
手巻き(Cal.822)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(40.1×24.4mm、厚さ7.56mm)。3気圧防水。139万9200円(税込み)。
手巻き(Cal.822)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(40.1x24.4mm、厚さ7.56mm)。3気圧防水。139万9200円(税込み)。
2024年、ジャガー・ルクルトは新しいサイズの「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」を発表した。1931年製のオリジナルのレベルソに非常に近い縦40.1x横24.4mmのサイズで、厚さは7.56mmのケースを備えた腕時計だ。
最初期のレベルソと同様に、このモデルのメタル製ケースバックの余白部分は、当初は純粋に機能的なものだったが、後に時計の所有者たちがエングレービングやラッカー仕上げなどを使用してパーソナライズしたり、大切な思い出を刻んだり、それぞれの創造性を表現する理想的なキャンバスとなった。
手巻きムーブメント、Cal.822を搭載した「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」は、ステンレススティール製ケースに、オパーリン仕上げのシルバー、またはサンレイ仕上げのブルーラッカーの2種類のダイアルを備えている。
そしてこれに、アルゼンチンのブーツブランド、カーサ・ファリアーノが「レベルソ・トリビュート」シリーズ専用にデザインした、コントラストを成すスムースおよびサフィアーノカーフスキンのふたつの質感を特徴とする新しいストラップが加わった。時計に付属するストラップに加えて、さらに4色が用意されている。なお、インターチェンジャブルシステムを搭載しているため、場面や気分に合わせてストラップを素早く交換可能だ。
レベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨン
ステンレススティール製ケースに収められた「レベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨン」の新モデルは、2023年に開催された ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024で発表された18Kピンクゴールド製モデルに、新たなデザイン性と現代的な魅力を添えたステンレススティール製モデルが登場。手巻き(Cal.847AA)。31石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(45.5×27.4mm、厚さ9.15mm)。3気圧防水。価格は要問合せ。
1994年にオリジナルモデルが開発されたレベルソ・デュオのコンセプトは、機構はひとつでありながら、対照的なふたつののダイアルがそれぞれが異なる時間帯を表示するというものだった。「レベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨン」は、ムーブメントを厚くすることなく、デュオのコンセプトに両ダイアルからながめることができるトゥールビヨンを組み合わせたものだ。
このモデルを誕生させるために、ジャガー・ルクルトのエンジニアはトゥールビヨンの機構を根本から考え直す必要があった。通常、トゥールビヨンを支えている上部ブリッジを取り除き、外側のトゥールビヨンケージをペリフェラル・ボールベアリングシステムに置き換え、ジャガー・ルクルトが特許を取得したS字型ヒゲゼンマイを使用してゼンマイとテンプをトゥールビヨンの中央に固定できるようにした。その結果、Cal.847の厚さはわずか3.9mm、時計全体の厚さもわずか9.15mmとなった。
サンレイ仕上げグレーの表ダイアルのクールで控えめなエレガンスとは対照的に、第2時間帯を表示する裏ダイアルには部分的にオープンワークが施され、高級感のある質感に仕上げられている。ブリッジのエッジは手作業で面取りされ、その表面にはジャガー・ルクルトのメティエ・ラール工房で手作業で施されたクルー・ド・パリ ギョーシェ彫りが装飾されており、光と影を巧みに操る美しいパターンが作り出されている。
レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド
18Kピンクゴールド製ケースに収められた「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」の新モデルには、ラッカー仕上げの光沢のあるインクブルーの表ダイアルに加えて、サンレイ仕上げのシルバーの地に、ダブルインデックスが配された、洗練された24時間ナイト&デイ表示を備えた新デザインの裏ダイアルが取り付けられている。手巻き(Cal.854)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KPGケース(47×28.3mm、厚さ9.6mm)。3気圧防水。398万2000円(税込み)。
表ダイアルは、温かみのあるピンクゴールド製ケース、そして調和のとれたインデックスと針が、豊かで目を引くコントラストを生み出している。深みのある漆黒のブルーは、次の層を塗布する前に入念に乾燥させる必要があり、20層にも及ぶラッカーを塗り重ねることで実現した。最終的に、ダイアルが完成するまでに合計50の工程を必要としている。
ほかの多くのジャガー・ルクルト製ムーブメントと同様に、手巻ムーブメント、Cal.854もすべてマニュファクチュール内で考案、開発、製造されている。表ダイアルには時、分、スモールセコンドが、裏ダイアルには第2時間帯と24時間表示が取り付けられている。ケースデザインとの一体感を保つため、第2時間帯は上部のケースバンドにセットされた小さなスライダーで調節する。これは、ケースがクレードルから取り外され、反転した場合以外はまったく見えないようになっている。
アールデコ デザインを象徴するレベルソ
世界で最も有名な腕時計の一つであるレベルソは、ポロの激しい試合に耐え得る時計を設計するという挑戦に応えて1931年に製作された。男女どちらにも適したデザインとして認められたレベルソは、すぐに多種多様な職業のお洒落好きな客たちが身に着けるようになる。当初のスポーツ用途を超え、バリエーションを増やしてきたレベルソは、その90年の歴史の中でさまざまに異なるサイズやダイアルスタイルを取り入れながら、そのアイデンティティを損なうことなく変化を遂げてきた。
2016年のレベルソ誕生85周年に合わせて、ジャガー・ルクルトは 1931年製のオリジナルモデルのスタイルコードへと回帰した「レベルソ・トリビュート シリーズ」を発表。すべてのレベルソ・トリビュート タイムピースの表ダイアルは、台形のインデックス、レイルウェイミニッツトラックとドーフィン針を備えたエレガントですっきりとしたラインが特徴となっている。
レベルソはアールデコデザインのアイコンとして広く知られているだけでなく、ジャガー・ルクルトの時計製造の哲学を見事に表現している。時計のムーブメントの形状はケースの形状にできるだけ近いものでなければならないという信念に基づき、レベルソのムーブメントは従来のラウンド型ではなくトノー型に設計されている。ほかの多くのレベルソと同様にムーブメントは見ることはできないが、ブリッジのエッジにはジャガー・ルクルトのメティエ・ラール工房の職人によって手作業で面取りが施されるなど、多くの部品が手作業で精巧に仕上げられている。これは高級時計製造の特徴であり、ジャガー・ルクルトがあらゆる分野で精度を追求していることの証である。