タグ・ホイヤーから、自動車レースカレラ・パナメリカーナ・メヒコを記念したモデルが発表された。「タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ x ポルシェ パナメリカーナ」である。この腕時計の特徴は名車「ポルシェ 550 スパイダー」の要素を取り入れたデザインだ。オープンワークのダイアルはこの車のホイールを模したものであり、シルバー、イエロー、ブラックで発表されたポルシェ 550 スパイダーのカラーを配色に取り入れている。
自動巻き(Cal.TH20-09)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。SSケース(直径42mm、厚さ15.10mm)。100m防水。536万8000円(税込み)。
タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ x ポルシェ パナメリカーナ
1954年のカレラ・パナメリカーナ・メヒコは、ポルシェ550 スパイダーが、1500cc以下のスポーツカークラスで1位と2位、総合で3位と4位という快挙を収めた伝説的なレースだ。このレースからホイヤーとポルシェの関係が生まれ、「カレラ」が誕生した。そして今年、満を持して「タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ x ポルシェ パナメリカーナ」が発表された。255本限定のエクスクルーシブなタイムピースは、タグ・ホイヤーとポルシェの豊かな歴史が刻まれている。
デザインの特徴
ダイアルとサブダイアルの光沢仕上げが、550スパイダーのボディワークを想起させる一方、550スパイダーのレーシング ホイールに着想を得た形状のオープンワークダイヤルに施されたザラザラとした質感をもたらすグレイン仕上げが、路面のアスファルトを彷彿とさせ、モーターレーシングのスポーティ感を演出している。ダイアルからは、高い技術力を誇るサヴォアフェールと計時の美しさが融合した、スネイル/サテン仕上げのムーブメントプレートが見える。
サイズ は42 mm。サテン仕上げとポリッシュ仕上げが交互に施されたステンレススティール製ケースを備え、サイドには 1950 年代にポルシェが使用していたオリジナルフォントで「Spyder」と刻印されている。湾曲したフランジには PORSCHE ロゴをプリントし、6 時位置のトゥールビヨンの上には伝説のレース「PANAMERICANA」の名が刻まれている。
ドーム型サファイアクリスタルの「グラスボックス」デザインを採用
このタイムピースにはまた、1970年代のカレラに使われていたドーム型のヘサライトクリスタルへのオマージュとして、ドーム型サファイアクリスタル風防の「グラスボックス」デザインが採用されている。湾曲部分がフランジの上を滑らかに流れるよう工夫が凝らされたグラスボックスは、ダイアルの縁へと流れるようにつながり、ケースとの一体感を生み出している。この革新的なデザインによって、ダイアル表示が読み取りやすくなり、過酷なロードレースを闘うドライバーにとって理想的なタイムピースに仕上がっている。
カレラ・パナメリカーナ レースとは
この上なく危険でスリリングなコースで知られるカレラ・パナメリカーナ・メヒコは、1950 年の初開催以来、モータースポーツ界の伝説的なクロスカントリーラリーとしてその名を馳せてきた。メキシコ北部の国境地帯から南部の国境地帯まで優に3000キロを超えるこのレースは、ドライバーにも、マシンにも絶対的な限界突破を強いるものとして瞬く間に評判となった。カレラ・パナメリカーナ・メヒコは、過酷な地形と極端な気温の中を平均時速150km以上で駆ける、スピード、耐久性、ドライビングスキルが極限まで試されるレースだったのだ。安全上の懸念からわずか5回で中止に追い込まれたにもかかわらず、このレースはモーターレーシング史上に燦然と輝く足跡を残し、今も熱く語り継がれる数え切れないほどの物語や伝説を生み出した。
1954年、ハンス・ヘルマンの駆るポルシェ 550 スパイダーが、この屈指の難レースでクラス優勝を果たす。この勝利が、耐久レースにおいてポルシェが力をつけていくための基礎を築き、エンジニアリングの優位性というポルシェの名声を確固たるものにした。洗練されたデザインと先進のダブルオーバーヘッドカムシャフトを搭載した550 スパイダーは、自動車のイノベーションとパフォーマンスを象徴するアイコンとなった。
※カレラ・パナメリカーナ レースはメンズファッション誌『The RAKE』の記事で詳しく紹介している。
ホイヤー カレラ 誕生の契機
1962 年、ジャック・ホイヤーは、メキシコのレーシングレジェンド、ペドロとリカルドのロドリゲス兄弟の両親から聞いた、カレラ・パナメリカーナ・メヒコの危険と興奮に満ちたレースの話に感銘を受けた。このレースの話にジャックが魅了されたことが、「ホイヤー カレラ」という名のクロノグラフの誕生につながる。この名前こそ、冒険心、精度、卓越性のあくなき追求といったものを完璧に表現していたのだ。1963年に発表された初代ホイヤー カレラ クロノグラフは、高速走行時でも容易に読み取れるようデザインされたすっきりとしたダイアルが特徴で、タグ・ホイヤーの機能性とエレガンスへのこだわりを体現していた。また、2023年に60周年を迎えたタグ・ホイヤー カレラは、最も象徴的で革新的な時計のひとつとしての地位を確固たるものにしている。
無敵のコラボレーション
1988年の再開から36年が経過した現在も続いているこのレース同様、「タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ x ポルシェ パナメリカーナ」も、卓越性と革新性のレガシーを受け継いでいる。今年のカレラ・パナメリカーナ・メヒコのレースに合わせて発表されたこのタイムピースは、タグ・ホイヤーとポルシェが共に紡いできた歴史とその強力なパートナーシップを祝うもので、タグ・ホイヤーとポルシェのファンだけでなく時計愛好家をも大いに喜ばせることだろ。
新作「タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ x ポルシェ パナメリカーナ」のデザインの直接のインスピレーションとなったのが、アイコニックなレーシングカー「ポルシェ 550 スパイダー」だ。精巧なディテールが目を引くオープンワークダイヤルが、550スパイダーのホイールを模している。その一方、シルバー、イエロー、ブラックの配色は、オリジナルマシンのカラーリングをそのまま採用するものだ。また、イエローラッカー仕上げの針とサブダイヤルの針が、この時計に際立ったスポーツテイストを添えている。