2019年6月26日、ブレゲがトゥールビヨン・デイを祝う

2019.06.28

 共和暦第9年メシドール7日、すなわち1801年6月26日、天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲが、全く新しい調速機構、トゥールビヨンの特許を取得した。

  • クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367

  • クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367

  • 厚さわずか3㎜の極薄型トゥールビヨン・ムーブメントのキャリバー581をスケルトン加工

  • 厚さわずか3㎜の極薄型トゥールビヨン・ムーブメントのキャリバー581をスケルトン加工

  • 2019年新作 クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395

  • キャリッジの総重量が0.290グラム以下という超軽量で、しかも80時間ものパワーリザーブが備わる最新世代のキャリバー581

  • クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5377

  • クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367

  • 2019年新作 クラシック トゥールビヨン エクストラフラット 5395

  • 2019年新作 クラシック トゥールビヨン エクストラフラット 5395

  • マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887

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 1806年にパリで開かれた内国産業製品博覧会に詰めかけた民衆の多くは、アブラアン-ルイ・ブレゲが考案した、信じられないような発明品の数々を見て、さぞ驚嘆したことだったろう。その5年前のこと、正確には共和暦9年メシドール7日、すなわち1801年6月26日にマスターウォッチメーカーのブレゲは新しいタイプのレギュレーター機構の特許を取得していた。すなわちトゥールビヨンである。時計製造の歴史における偉大な発明の一つに数えられるこのトゥールビヨンの守護者をもって任じる現代のブレゲ社は、毎年6月26日にファンや熱心な愛好家、コレクターの方々を招いてトゥールビヨン・デイを祝うイベントを催している。当日は、世界で展開するブレゲ・ブティックでトゥールビヨンのコレクションをご覧いただけるだけでなく、ブレゲ独自の複雑機構についてさらに詳しく知ることのできる格好の機会となった。

 アブラアンールイ・ブレゲが生前販売したトゥールビヨン・ウォッチは、35個にすぎない。この数字からも、トゥールビヨンという特別な機構を実現するのがいかに困難だったかが推測できる。1801年に特許登録されたとはいえ、開発に必要な実験と研究には、少なくとも1795年から1805年までの10年が費やされている。当時の精密時計は、縦の姿勢すなわち垂直の状態で携帯されていたが、ブレゲが発明に努めていたのは、テンプの機能に悪影響を及ぼし、ひいてはムーブメントの精度を乱す重力の影響を相殺する手段だった。そこで彼がたどりついたのは、ひげゼンマイ付きのテンプと脱進機(アンクル及びガンギ車)一式を回転する枠の中に格納するという考え方だったのだ。アブラアン-ルイ・ブレゲは、このキャリッジという枠と脱進機の二つが回転する仕組みから「トゥールビヨン」という名称を思いついた。そこに天体系という、この言葉の長らく忘れられていた概念を反映させようとしたのであろう。

クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5377

「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5377」
ゴールド製ダイヤルに施されたギヨシェ彫りの模様は、大胆なアシメトリー・デザインとともに、時計全体に繊細で魅力的な表情をもたらしている。

クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367

「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367」
このモデルには、ブレゲが大切に守り続けるデザインの特徴、すなわちグラン・フーエナメルや、アラビア数字を配したオフセンターのチャプターリング、ブルースティールの針が備わり、まさにアブラアン-ルイ・ブレゲのトレードマークとなっていた懐中時計の外観に良く似ている。これら二つのモデルは、いずれも厚さ3 ㎜という世界最薄の一つに数えられる自動巻トゥールビヨン・ムーブメントを搭載している。3 ㎜の極薄型ムーブメントは、直径41 ㎜のローズゴールドやプラチナのケースにぴったり収まり、ケース全厚でもギヨシェ彫りダイヤルの5377 は7㎜、エナメル・ダイヤルの5367 は7.45 ㎜の薄さを実現している。この薄さがムーブメントの装飾を妨げることはなく、ブリッジや香箱には手作業による精緻なエングレービングが施され、ムーブメントの外周に配置された両方向回転式のプラチナ製ローターには、ギヨシェ彫りの装飾が手作業で施されている。

クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395

「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」
2019年、ブレゲは新しい「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」のために厚さわずか3㎜の極薄型トゥールビヨン・ムーブメントのキャリバー581を選び、これをスケルトン仕様にした。このモデルでは時計技術と同時に職人技にも取り組み、メティエダール、すなわち芸術的な手仕事が特に強調されている。ブレゲはムーブメント素材の約50パーセントを削減することに成功した。

クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395

「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」
このモデルについて、ブレゲがムーブメントの地板と受けの製造に18Kゴールドの合金を選んだのは、部品の加工や組み立ての過程が複雑になるにもかかわらず、ゴールドには多くの利点があるからだ。ゴールドは硬化が可能なので、スケルトン・ムーブメントの耐性が増加し、極めて長期間の使用に耐える。手仕事によるエングレービングやギヨシェ彫り、面取りが施されたゴールド素材には、まさに極上の見栄えが生まれる。

マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887

「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」
キャリッジの総重量が0.290グラム以下という超軽量で、しかも80時間ものパワーリザーブが備わるこの最新世代のキャリバー581は、イクエーション・オブ・タイム(均時差)を独自の方式で表現するためのベースにもなった。ソラマメ型をした均時差カムをサファイアクリスタルのディスクに載せ、トゥールビヨンの上に組み入れたこの構造では、トゥールビヨンの回転運動を利用して、均時差カムの回転を1年に渡ってコントロールする。そして、カムの形状を触知するスピンドルから得られる情報が、通常の分針とは別のランニング・イクエーションの分針に伝わる。均時差を常時表示するランニング・イクエーションと並んでこのモデルがさらに複雑なのは、それが永久カレンダーに連動するグランド・コンプリケーションになっている点だ。

Contact info: ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211