レゾナンス機構とリピーター機構を融合させた世界初のコンプリケーション

2019.07.29

 Armin Strom(アーミン・シュトローム)は、世界で初めてレゾナンスとリピーターという2つの複雑機構を備えた「ミニットリピーター・レゾナンス」を発表した。レゾナンスとミニットリピーターという2つのコンプリケーション、2つの垂直に配列された独立したムーブメント、2種類の共振(オシレーターとサウンドの伝播)、一つの香箱内にセットされた独立した2つのメイン・スプリング、Armin Strom(レゾナンス機構担当)とLe Cercle des Horlogers(ル・セルクル・ドルロジェ - リピーター機構担当)というトップ開発チーム。まさにツーインワンで、軽く二倍は楽しめるタイムピースだ。

ミニットリピーター・レゾナンス

■アーミン・シュトローム「ミニットリピーター・レゾナンス」
手巻き。51石。25,200振動/時。Tiケース(直径47.7 mm)。50 m防水。約96 時間パワーリザーブ。Armin Strom自社工房設立10周年を記念して10本のみ生産。価格未定。

ケース左側のレバーをスライドすると、11時と1時位置にあるハンドポリッシュされた2つのハンマーが、時分表示のサブダイアルを囲むようにセットされた2つの立体的なカーブを描くゴングを叩き、時と分を知らせる。ハンマーは、5時位置と7時位置にある2つの独立した脱進機構によって、視覚的にも技術的にもうまくバランスが取れている。

もともと、ミニットリピーターのハンマーとゴングは伝統的に裏ブタ側にセットされると考えられてきたが、開発チームは、それを、誰にでも分かるダイアル側に配置された共振する脱進機と同じ側にセットすることに価値があるということで、この方針での製作が決定された。しかしそれが多くの技術的課題を噴出させる。Armin Stromは、ダイアル側で共振するレギュレーターとミニットリピーターのハンマーとゴングが完全に見えるようにしたかっただけではなかった。Greislerと彼のチームは、リピーター機構に関連する輪列、時刻表示のための輪列により、アニメーション化されたレゾナンスとリピーターのメカニズムの素晴らしさが希薄となることを望まなかったため、2つの垂直に重ねられたムーブメントを逆転させ、リピーター駆動のための輪列と時刻表示のための輪列を裏ブタ側に配置したのだった。

Armin Stromのチーフ・ウォッチメーカーClaude Greisler(クロード・グライスラー)は、かつてChristophe Claret(クリストフ・クラーレ)社での同僚であり、Cercle des Horlogers社の創業者でもある、古くからの友人Alain Schiesser(アラン・シーサー)との共同作業でこの新作を発表出来た。業界の裏方を務めてきたLe Cercle des Horlogers(ル・セルクル・ドルロジェ)は、ここ数年の間に名だたるスイスのウォッチ・ブランドによって製作されたミニットリピーター機構の大半を開発していたからだ。Armin Stromのミニットリピーター・レゾナンスは、自社工房設立10周年を記念して、グレード5チタニウム製ケースのモデルが10本の限定で製造される。それ以上の数が作られることはない。

Contact info: ノーブル スタイリング  Tel.03-6277-1604