ユリス・ナルダンの限定モデル「マリーン・トルピユール モナコ・ヨットショー」が発売

2019.10.13

ユリス・ナルダン「マリーン・トルピユール モナコ・ヨットショー」

マリーン・トルピユール モナコ・ヨットショー

ひんやりとした空気感すら感じさせる硬質感あるグラン フーエナメル文字盤。ムーブメントにはブランドの基幹ムーブメントである自社製Cal.UN-118が搭載されている。

世界最高峰のヨットショーに敬意を表した100本の限定モデル

 優雅なバカンス地、コートダジュールの太陽が降り注ぐエルキュール港で開催された第29回モナコ・ヨットショー。125隻あまりのスーパーヨットが出展され、およそ40隻のラグジュアリーなテンダーボートが送迎するイベントだ。このモナコ・ヨットショーの公式スポンサーであるユリス・ナルダンは19世紀にマリーンクロノメーターの製造で一躍名を馳せたブランドなだけに、海に造詣が深い時計ブランドとして海洋の世界と深く関わっている。

 今回、ヨットのアッパーデッキにて展示された100本限定の新作「マリーン・トルピユール モナコ・ヨットショー」は数回にわたって高温焼成を繰り返す「グラン フーエナメル」をダイアルに採用している。

マリーン・トルピユール モナコ・ヨットショー

デザインは19世紀の「トルピユール」を継承。トルピユールとは船長のみが持つことが許された、ポケットクロノメーターのことである。ねじ込み式リュウズの側面にはユリス・ナルダンのロゴが刻印されている。日付窓が設けられた6時位置のスモールセコンドには、「MONACO YACHT SHOW」と開催月年を指す「09.19」が赤で描かれている。マリーンテイストを感じさせるホワイトステッチ「ポワン・ド・ブリード」が入ったブルーアリゲーターストラップを装備。

 高温焼成を意味するグラン フーエナメルは、800℃に満たない温度で何度も焼成を繰り返したのち、約850℃もの高温で最終焼成を行うエナメル製法だ。釉薬を焼成することでダイアル表面がガラス質になるため耐傷性に優れ(しかし割れやすい)、変色しにくいという特色を持つ。

ドンツェ・カドラン

“Grand Feu”=大きな炎に包まれる文字盤の地金。ユリス・ナルダンのエナメルダイアルのほとんどは傘下の老舗ホワイトエナメル工房、ドンツェ・カドランで製作されている。グラン フーエナメルは繊細な工芸品である。鉱物を含むガラス質の釉薬を文字盤の地金に焼き付けることで、艶やかな質感をもたらす。

「トルピュール」は19世紀に船長が使用した高精度のポケットクロノメーターを指す言葉だ。また、同時に駆逐艦という意味で19世紀末に出現した艦種の意味でもある。小型で速力が速く、魚雷攻撃や奇襲、警戒、護衛を主な任務とする。りりしい軍テイストを備えつつ、エレガントな印象を与えるのはやはりグラン フーエナメル文字盤が持つ存在感によるものも大きいだろう。

マリーン・トルピユール モナコ・ヨットショー

ユリス・ナルダン「マリーン・トルピユール モナコ・ヨットショー」
自動巻き(Cal.UN-118)。50石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径42mm、厚さ11.9)。50m防水。世界限定100本。110万円(税別)。


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