ヴァシュロン・コンスタンタンのパーペチュアルカレンダーは、2019年11月7日に開催されたジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ2019において、「イノベーション賞」を受賞した。
トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー
不規則な大の月・小の月・閏年を表示する便利な永久カレンダー。しかし、エネルギーを消費しやすく、時計が止まってしまえばセットし直さなければならない煩雑さも持ち合わせている。ヴァシュロン・コンスタンタンの「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」は、そんな永久カレンダーの問題を克服するべく誕生した画期的なモデルだ。同モデルは、2019年11月7日に開催されたジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ2019において、「イノベーション賞」を受賞した。
手巻き(Cal.3610 QP)。64石。アクティブ・モード:3万6000振動/時とスタンバイ・モード:8640振動/時の選択式。パワーリザーブ約65日間(アクティブ・モードでは約4日間)。Ptケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。3気圧防水。時価。
「トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー」のムーブメントCal.3610 QPには、異なる振動数を持つふたつのテンワが搭載されている。このふたつのテンワによって振動数をロービートとハイビートのいずれかに切り替えることができる。時計を着用する際には、ハイビートの3万6000振動/時のアクティブ・モードに設定し、時計を外して置いておく場合には、約65日間のパワーリザーブを誇る超ロービートの8640振動/時のスタンバイ・モードに切り替えることでエネルギー消費を従来の4分の1に抑えることが可能だ。さらにこの切り替えはボタンひとつで瞬時に行うことができ、テンワの移行時に時刻の遅れはほとんど生じない。また、スタンバイ・モードにして放置したとしても、その際に生じる誤差がわずか1週間に1分程度と高い精度が保たれている。
また、ジャンピング式のパーペチュアルカレンダーにもエネルギー消費を極力抑える仕組みが工夫されている。スプリング付きのデュアルギアによって補助動力を組み込んだことで、従来の4分の1のトルクによるジャンピング式のカレンダー表示を実現した。なお、このカレンダーは、スタンバイ・モードでフル巻き上げ状態の同モデルを静態で置いて2ヵ月放置した場合にも正確に表示される。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、振動数の切り替え機能とジャンピング式のパーペチュアルカレンダーをそれぞれ特許申請済みだ。これだけの機能を持ちながら、直径32mm、厚さ6mmというサイズに収まった手巻きムーブメントCal.3610 QPは、サファイアクリスタルを用いたのシースルーバックから眺めることができる。
ダイアルには、ヴァシュロン・コンスタンタンの職人が操る手動機械によるギヨシェ彫りが施されており、アプライドインデックスと時分針には18Kホワイトゴールドを使用するなど、贅を尽くした外観も目を引く。