ジンのパイロットウォッチ856シリーズに、新たに「856.FLIEGER.Ⅱ」が加わる。日本限定50本の販売となる。
シンプルながらも三つの独自技術を搭載したハイスペックなパイロットウォッチ
ブラックのダイアルと、はっきりとしたホワイトのインデックスと針によって抜群の視認性を発揮する。リューズの位置が左側になっているが、レフティモデルというわけではなく、使用感や安全性を高めるための仕様である。これにより、手首を曲げたときにリューズが手の甲に当たることもない。6時位置の「FLIEGER」は、ドイツ語でパイロットを意味する。自動巻き(SW300-1)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ42時間。SS(直径40mm、厚さ 11mm)。20気圧防水。世界限定50本(日本限定販売)。34万円(税別)
ジン、正式名称を「ジン特殊時計会社」というこのブランドは、元ドイツ国防軍のパイロットであったヘルムート・ジン氏によって1961年に創立(当時、「ヘルムート・ジン特殊時計会社」)された。以来、その頑丈さや視認性を認められ、パイロットや特殊部隊、レスキューなど過酷な環境で活躍するプロフェッショナルのパートナーとして支持されてきた。
「856.FLIEGER.Ⅱ」では、三つの独自技術(ジン・テクノロジー)が搭載
「ジン特殊時計」の名の通り、同社は多くの独創的な技術を開発してきた。今回発売される「856.FLIEGER.Ⅱ」では、三つの独自技術(ジン・テクノロジー)が搭載されている。
Ar ドライテクノロジー
まず、「Ar ドライテクノロジー」である。これは、対候性、耐オゾン性、耐水性に優れたEDRパッキンの採用、ケース内部に充填したプロテクトガスによる放電腐食の抑制、特殊乾燥剤を封入したドライカプセルによって、ムーブメントや潤滑オイルを水分から守るものである。
スーパールミノバによって、暗所での視認性も確保されている。12時位置の三角マークによって、時計の上下を見間違えることも防ぐことができる。
ダイアルには、三つのジン・テクノロジーが搭載されていることを示すマークが表示されている。よく見なければ分からないほどさりげなく配されたマークは、優れた技術を持ちながらも、それに驕ることなく常に前進する同社の姿勢を体現しているかのようだ。
マグネチック・フィールド・プロテクション
次に、「マグネチック・フィールド・プロテクション」である。これは、ムーブメントを軟鉄で包み込み、80,000A/mの耐磁性を実現させるものだ。
テギメント
最後に、「テギメント」である。これは、窒素を使った浸炭加工をケースに施すことで、耐傷性を確保する表面硬化技術のことである。その硬さはセラミック同等の1,200ビッカース、あるいはそれ以上ともいわれる。
一見、シンプルなパイロットウォッチであるが、その内部には過酷な環境下での正確な計時を支える技術が多く備わっている。これこそ創業者であるヘルムート・ジン氏が求めた時計の一つの姿であり、現在もそのDNAが脈々と流れていることを証明するモデルだと言えるだろう。