ファーブル・ルーバから新作「レイダー・ハープーン42」が発表された。
「世界で2番目に古い」時計ブランドとして知られるファーブル・ルーバ。この”世界で何番目に古いか論争”については諸説あり、“現存する”時計ブランドとしては2番目ということ。
ファーブル・ルーバの設立は1737年、スイスのル・ロックルからスタートし、創業者のアブラハム・ファーブルは息子たちと共にワールドワイドな時計ビジネスを展開させていった。
長い歴史の中、ファーブル・ルーバが近年世界を驚かせたのは2016年に発表された究極のダイバーズウォッチ「レイダー・ハープーン」だ。これまで創出してきた伝説的な時計の系譜を受け継ぎつつ、革新的な機能と複雑な技術の簡略化を成功させたことにより、ユニークな時刻表示にたどり着いた。
“銛”を名前に冠する一本の分針のインパクト
今回の新作「レイダー・ハープーン42」はケースの直径が42mmと、従来モデルの直径46mmのケースからするとかなりコンパクトになった印象を受ける。防水性能も500m防水から300m防水に変わり、日常生活での使用を想定したスペックとなった。従来モデルと変わらないのは、独特の時刻表示だ。たった1本の分針が文字盤上で存在感を放っている。短針の代わりに存在するのはアワーリング(時)、センターで回転するのは秒ディスク。過去から受け継がれた頑丈なケースと小型化に成功したモジュールにより、さらなる進化を遂げている。
一本針の分針とアワーリングの組み合わせによる斬新な時計表示を支えるのは、ファーブル・ルーバの伝統ともいえるレトロフューチャーデザインだ。1970年代、宇宙開発が盛んだった頃に多くの人々が描いた未来像を反映したデザインとなっている。その象徴とも言えるのが頑丈なクッションケース、14角形の風防リング、高い視認性を誇る分針とインデックス。これらがレイダーハープーンの特徴的なデザインにつながっている。
もちろんダイバーズウォッチとしてのISO規格を満たしており、潜水時間(分)を測定するための「逆回転防止ベゼル」や駆動の確認には「秒針」の代わりに文字盤の中央で回転する「秒ディスク」を採用。2時位置には飽和潜水に対応したヘリウムバルブがある。ファーブル・ルーバの数々の時計が持つ、実用シーンでの強さを実感できるモデルとなっている。
深海から、地上の最高峰までを網羅する実用機械式時計を次々と送りだすファーブル・ルーバはこう語る。
「不要なものをすべて排除し、残ったものを見直し、再設計する。そして生まれた究極のダイビングウォッチ。針は1本しかありません。その針だけで水中の世界を探索するのに必要なすべてが手に入ります、もちろん陸上でも。」