ブレゲの輝かしい歴史が見れる海外の展覧会

2020.01.04

現在、時計愛好家がブレゲの歴史を垣間見れる美術館

 大勢の著名な顧客と見事なタイムピースの数々。豊かな歴史を紡いできたブレゲは、世界中の一流美術館でその往年の作品が展示される機会に絶えず恵まれ、目にした時計愛好家の称賛を浴び続けている。が、しかし、初期のタイムピース作品の多くは、今なお個人収集家の手元に大切に保管されていて目にする機会が少ない。

ルーブル・アブダビ美術館

10,000 Years of Luxury(1万年のラグジュアリー展)- 2020年2月18日(火)まで開催

 各年代のラグジュアリーの物語を象徴するさまざまな作品を展示するこの展覧会では、それぞれの文化や時代にラグジュアリーというものがどのように定義されていたのかを紹介する。その代表例が18世紀のベルサイユ宮殿の贅沢で瀟洒な設えだ。当時、随一の時計職人として名を馳せていたアブラアン-ルイ・ブレゲは、その卓越した作品が欧州の貴族たちに高く評価され、評判になった。「1万年のラグジュアリー展」では、何が一つのオブジェクトを貴重な贅沢品の領域へと昇華させたのかを探究する。それは、時間、職人技、あるいは希少性だったかもしれない。展示作品の一つ、「トラベルクロック」からは、そのすべてを容易に見ることができる。

通常はパリの装飾芸術美術館(MAD)に収蔵されている「トラベルクロックNo.3778」は、1842年にアナトーリー・デミドフ伯爵の妻、マチルド・ボナパルト夫人のために創作され、この展覧会が表現する貴重なラグジュアリーの定義をまさに体現している。展覧会について詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。(www.louvreabudhabi.ae/en

クイーンズギャラリー・ロンドン

GEORGE IV: ART & SPECTACLE(ジョージ4世:アート&スペクタクル展)- 2020年5月3日(日)まで開催

 当時、熱心なブレゲ作品収集家として広く知られた英国王、ジョージ4世は、他を凌駕するほどの膨大な美術品を収集し、その多くがロイヤルコレクションとして今日にも受け継がれている。この展覧会には2つのブレゲの作品が展示されている。1825年にブレゲからジョージ4世に納めた振り子時計「ダブルペンデュラムクロックNo.3671」と、現在はエリザベス2世が所有し、エディンバラ公爵フィリップ王配がお使いの「サンパティーククロック」である。

サンパティーククロック(同調クロック)は、置き時計のくぼみの部分に懐中時計をセットすると自動的に巻き上げが行われる作りになっている。「サンパティーク」という表現は、置き時計と懐中時計、二つの時計が調和し、「共感(sympathy)」し合う発想を表すためにブレゲ自身が選んだものだ。サンパティーククロックによってブレゲはさらにその名を轟かせたが、今でもその複雑な仕組みのために制作には高度な技術が必要とされる。1823年に逝去するまでにアブラアン-ルイ・ブレゲがジョージ4世のために創作したそれぞれ特徴的な5つの作品は、その後の王や王子に譲られている。展覧会について詳しくは、ウェブサイトをご覧ください(https://www.rct.uk/


Contact info: ブレゲ ブティック銀座  Tel.03-6254-7211


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