グランドセイコーは初代モデルの誕生から60年を記念し、「初代グランドセイコーデザイン復刻モデル」3モデルを発売する。初代の造形とデザインを再現したこのモデルは、2020年6月6日より国内、海外で順次発売となる。
初代グランドセイコーに見る気品と存在感
当時、最も高精度であったスイス公認歩度検定局によるクロノメーター規格(優秀級)と同等の精度を実現した「グランドセイコー」(初代モデル)は、1960年12月18日に発売された。 当時の小売価格は2万5000円であったが、1960年における上級国家公務員の初任給が1万2000円だったことを考えると、日本製の腕時計の中でどれほど高級品だったかが窺える。それまでは「ロードマーベル」が当時のセイコーのハイエンドラインであったが、初代グランドセイコーはロードマーベル以上にグレードアップしたものであった。
復刻モデルでは現代的なニーズに合わせて変革が行われたにも関わらず、オリジナルが持つ雰囲気や佇まいを受け継いでいる。
発売から60年経った今見ても、堂々とした存在感を放っている初代グランドセイコー。今回発表された復刻モデルでは、初代グランドセイコーの造形を再現しつつも現代のニーズに合わせて仕様変更を行なっている。ケースサイズは35mmから38mmにサイズアップ、また風防にはデュアルカーブサファイアガラスを採用することで視認性を向上させている。
60周年を記念した3つの復刻モデル
初代グランドセイコーデザイン復刻モデルは、プラチナ950製モデル、イエローゴールド製モデル、ブリリアントハードチタン製モデルの全3モデル展開となる。
初代グランドセイコーの佇まいを最も強く受け継ぐ「イエローゴールド製モデル」は、12時位置に配された立体的なブランドロゴが印象的だ。イエローゴールドの美しさに決して派手さはなく、あくまでもスマートな印象を崩さないのは、グランドセイコーの真摯なものづくりの姿勢から得られたものだろう。インデックスには18Kゴールドを採用、その証として6時位置にはSD(Special Dial=貴金属のインデックスを採用したダイアル)マークが配されている。
初代の発売当時にも、ごく少数のみ発売されたプラチナモデルを復刻したのが「プラチナ950製モデル」だ。プラチナ950はより金属アレルギーが起こりにくい素材でもある。プラチナモデルにのみ採用した18Kゴールド製のダイアルには、初代モデルと同じ書体でブランドロゴが刻まれている。またイエローゴールド製モデルと同様に、インデックスには18Kゴールドを採用。6時位置にはSDマークが輝いている。
グランドセイコーのために開発された素材であるブリリアントハードチタン製のモデルも登場。「ブリリアントハードチタン」は純チタンと同様に、軽量かつ傷がつきにくいのが特徴のチタン合金素材だ。それでいてこれまでの純チタンよりも素材の表面が白い。ケースの表面は熟練した職人によるザラツ研磨によって美しく仕上げられている。グランドセイコーのコーポレートカラーであるブルーを用いたダイアルからは、同社の持つクラシックな雰囲気が漂う。
グランドセイコーは1960年の誕生以来、最高峰の腕時計を目指し、正確さ、美しさ、見やすさといった腕時計の本質を高い次元で追求してきた。2010年からは本格的にグローバル展開を開始し、世界でも数少ない真のマニュファクチュールにしか成し得ない最高レベルの性能と洗練されたデザインを実現している。