【2020新作時計】ジャケ・ドロー「ラブィング・バタフライ・オートマトン オパール」

2020.04.11

 このモデルの特徴は、ダイアルにブラックオニキスとオパールの2種類の天然石を使用し、更に彫金細工によるオートマトンを搭載していることにある。同社は天然石を使用したダイアルを大量生産することはない。そのどれもがユニークピースまたは限定コレクションに限られている。天然石を文字盤として仕上げるためには、大変な技術と時間を要する。

 それはひとつとして同じもののない石の中から条件に合うものを選び抜き、ダイアルに相応しい薄さと輝きを持たせるための加工が必要となるからだ。そのことを思えば、同社が天然石ダイアルを大量生産しないことも納得できる。

 ダイアル上で虹色の輝きを放っているのがオパールである。この輝きは遊色効果と呼ばれる光の回析現象によるものであり、実は分子の大きさや充填度など一定の条件をクリアした一部のオパールにのみ宿る。同社のアイコンともいえる12時位置のインダイアルにはブラックオニキス(ホワイトゴールドケースモデルはホワイトマザーオブパール)が用いられており、オパールの煌めきとは対照的な深い闇のような美しさを見せる。

同社は天然石ダイアルを作り上げるために多くの技術と時間を費やす。輝きを与えるための研磨はもちろんのこと、完全な円形かつ0.8mmという薄さに仕上げるために、職人は愛用の道具を駆使して作業にあたる。

 リュウズに設置されたプッシュボタンを押すと、彫金細工の蝶が羽ばたき、車輪が回転する。時計自体に生命が宿っているかのように錯覚するその繊細な動きは、創業者であるピエール-ジャケ・ドローの情熱が今もなお燃え続けていることを示しているのかもしれない。


Contact info: ジャケ・ドロー ブティック銀座 Tel.03-6254-7288
Info-JaquetDroz@jp.swatchgroup.com


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