「春の海 ひねもすのたり のたりかな」(The spring sea Swaying gently All day long.)。与謝蕪村の俳句にふれたミシェル・パルミジャーニは、侘び寂び、四季のセンチメントや、奥ゆかしい日本文化の世界観をダイヤルに表現できないかと考えた。2020年の新作「トリック フルール」には、蕪村に触発されたパルミジャーニ自身の、うららかな春の一日の陶酔や、過ぎた時間の記憶の情感が投影されている。
自動巻き。28 石。2万8800 振動/時。18KRG(直径33.7mm、厚さ9mm)。パワーリザーブ約50 時間。30m防水。世界限定50 本。252万円(税別)
ジャポニズムを表現する新しいデザイン
花が咲き、散るまでの美しさを鑑賞し愛でる、そしてそこに生き方を感じる「Hanami」という日本特有の文化に、ミシェル・パルミジャーニは共感を覚え、自宅の庭にも取り入れているそうだ。パルミジャーニ・フルリエの考えるジャポニズムを表現したトリック フルールは、18KRGケースに収められたダイヤルに、スイス・ジュラの牧草地に見られるマーガレットの、春風のように穏やかで優雅な姿を繊細なレースで写し取っている。
33.7ミリの新型ケースと繊細さを強調した文字盤
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2020年から新しく加わった33.7mmサイズの18KRケースには、トリックコレクションの象徴である精巧なモルタージュ模様ののベゼルが取り付けられている。これはパルミジャーニのグループ会社である、レ アルティザン ボワティエが得意とする技法だ。また、ホワイトマザー・オブ・パールのダイアルには、アラビア数字インデックスと、春のスイスの谷に咲くマーガレットのカーペットを連想させる、繊細なゴールドレースが浮かべられた。模様だけでなく、モチーフの角をジュエリーのように丸めることで、ソフトな印象を強調してみせた。やはりこちらも、グループ会社のカドランス&アビヤージュが手掛けたものだ。
仕上げに妥協のないムーブメント
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レディスモデルのムーブメントも仕上げに対する妥協はない。目の細かいコート・ド・ジュネーブ、手作業で面取りされた丸みを帯びたブリッジ、バーリーコーン模様のギヨシェが施された22金ゴールドローターなどは、男性モデルに比肩する仕上がりだ。また、搭載する自動巻きのPF310は片方向巻き上げのため、運動量の少ない人でも、十分巻き上がるだろう。なお、厚さ3.9mmのムーブメントには189個の部品が詰め込まれている。
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https://www.webchronos.net/news/46592/
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https://www.webchronos.net/news/45627/
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https://www.webchronos.net/news/43759/