パテック フィリップは、最も数多くのミニット・リピーター腕時計を現行コレクションとして提供する時計メーカーである。同社のミニット・リピーターのゴングには、クラシック・ゴングとカセドラル・ゴングの2種類があり、ミニット・リピーターのみを搭載したモデル、および他のコンプリケーション(永久カレンダー、トゥールビヨン、ワールドタイム、クロノグラフ)と組み合わされたモデルがある。しかしこれまでパテック フィリップは、文字盤側にチャイム機構を見せるミニット・リピーターを発表したことがなかった。
パテック フィリップ 2020新作「5303」
手巻き(cal.R TO 27 PS)。29石。21,600振動/時。パワーリザーブ最大48時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ12.13mm)。非防水。時価。
着けたまま作動中のミニット・リピーター機構を鑑賞できる
5303モデルは2019年、《ウォッチアート・グランド・エグジビション・シンガポール 2019》において、12個の限定製作モデルとしてデビューを飾った。そのミニット・リピーター・トゥールビヨン5303モデルが今年、デザインに細部の変更を加えられ、パテック フィリップの現行コレクションに迎えられたのである。チャイム・ウォッチの愛好家のために創作されたこの新しいグランド・コンプリケーションは、文字盤のないオープン・アーキテクチャーによって際立っており、時計を手首に着用しながら、作動中のミニット・リピーター機構を、初めてハンマーとゴングも含めて鑑賞することができる。
手巻キャリバーR TO 27 PS
ケース側面とラグにリーフ(葉)装飾の彫金
ローズゴールド仕様のきわめて独創的なケースは、ふくらみを帯びた幅の広いポリッシュ仕上げベゼル、およびケース側面とラグにリーフ(葉)装飾の彫金が施されたホワイトゴールドのインサートが特徴である。ケース左側面のミニット・リピーターを作動させるホワイトゴールドのスライドピースも同じモチーフである。アワーサークルは、パウダー仕上げローズゴールドのドットを配した、ブラック塗装サファイヤクリスタルのリングでできている。サファイヤクリスタル・バックを通してムーブメントを鑑賞できる裏面は、インサートとスライドピースを彷彿とさせるオープンワーク装飾が施された、ホワイトゴールドの《アンフィシアター(古代ローマの円形劇場)》を想わせる装飾により縁取られている。
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