忠実な復刻が物語るロンジンの実力/「ロンジン ヘリテージクラシッククロノグラフタキシード」

2020.07.29

1943年製のモデルにインスパイアされたロンジン「ロンジン ヘリテージクラシック クロノグラフ タキシード」が今秋発売される。オリジナルモデルと変わらずアラビア数字に彩られたマットブラックのアワーサークルとオパーリンシルバーふたつのクロノグラフカウンターがタキシードを想起させる。

ロンジン ヘリテージクラシッククロノグラフタキシード

「ロンジン ヘリテージクラシッククロノグラフタキシード」
自動巻き。(Cal.L895.5)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。SS(直径40mm)。3気圧防水。36万1000円(税別)。2020年秋発売予定。


1930年代のタキシードスタイルにインスパイア

 一見すると普遍的なものに見えるタキシードにも流行があり、年代ごとに新しいスタイルが登場している。1920年代には夜の正装である燕尾服に次ぐ礼服としてタキシードは世界中に認知されることとなり、よりその着こなしやコーディネートにもバリエーションが増えた時期である。黒の蝶ネクタイに黒のカマーバンドがコーディネートに用いられるようになり、「ブラック・タイ」という呼称ができたのもこの頃だといわれている。

ロンジン ヘリテージクラシッククロノグラフタキシード

ふたつのインダイアルに着目したい。異なる針デザインが採用されている。30分積算計が矢、スモールセコンドがバトンだ。オリジナルモデルでもその組み合わせ自体は変わらないが、搭載ムーブメントの関係でインダイアル自体の配置が左右逆になっている。その他のディティールはオリジナルモデルのデザインが踏襲されており、デイト表示やロンジンのほかの自動巻きムーブメント搭載モデルのような「Automatic」表示はなく、文字盤全体のデザインはクラシカルでスッキリとした印象のバランスを保つ。

「ヘリテージクラシッククロノグラフタキシード」の着想源となったのは30年代のタキシードだ。20年よりもさらにファッションの自由度が上がったこの時代は、白いタキシードが登場し、色柄もののカマーバンドや蝶ネクタイをコーディネートすることもあったが、やはり王道はブラック・タイを着こなす紳士のスタイルだ。ちなみに、英国ではディナージャケット、その他のヨーロッパの国ではスモーキングと呼ばれるのは上流階級の社交服としての意味合いが含まれている。

 そんな時代の紳士が、社交界にて着用していたタキシードやディナージャケットにインスパイアされたデザインが43年に製造されたオリジナルモデルだ。ケースは直径39mmで製造され、カラーはベージュとブラックのツートンとなっていた。2020年の復刻モデルは凛としたホワイトシャツを彷彿とさせるオパーリンシルバーのディスクが文字盤の中央を飾る。オリジナルモデルと変わらずアラビア数字に彩られたマットブラックのアワーサークル、ふたつのクロノグラフカウンターはオパーリンシルバーだ。タキメータースケールはブルースティールの針でミッドナイトブルーの色を添える。

ストラップはバイカラーのカーフレザーストラップとなっている。ステッチが見えないストラップはエレガントで洗練された仕上がりだ。
40mmのケース内に搭載されるムーブメントはCal.L895.5で、シリコン製のヒゲゼンマイが使用されている。


Contact info: ロンジン Tel.03-6254-7351


タキシードから着想を得た復刻モデル「ロンジン ヘリテージクラシック タキシード」

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