バックページ・トランスペアレントの心臓部であるテンプ側をダイヤル面にシフトし、腕に時計を着けたままその芸術的な仕上げの数々を楽しむことができる新作『バックページ・トランスペアレント』。モリッツ・グロスマンは基幹キャリバーを鏡像の様に反転した、キャリバー107.0をデザインした。テンプ、角穴車、丸穴車、グラスヒュッテ式コハゼ装置など、美しい手仕上げが施されたモリッツ・グロスマンのムーブメントを透明なダイヤルを通して見ることが出来る。この特別ユニークなモデルは、ローズゴールドケースとホワイトゴールドケース、それぞれ8 本の限定モデルである。
モリッツ・グロスマン『バックページ・トランスペアレント』
手巻き(cal.107.0)。24石。18,000振動/時。18KRGケースor 18KWGケース(直径41mm、厚さ11.35mm)。約42時間パワーリザーブ。各色世界限定8本。590万円(税別)
キャリバー107.0
キャリバー107.0は理論的にはキャリバー100.1の鏡像だが、実際には重要な多くの部品が新しく設計されている。丸穴車と角穴車の間に新たに追加された歯車が、香箱の回転方向とともにムーブメントの歯車全体を逆方向に回転させる。鏡に映したかのように反転した脱進機と調速機により、輪列は正しく作動する。またヒゲゼンマイの巻き上げ方向も同じように反転している。より大きくなった4分の3プレートのサイズに合わせ、テンプ受けとガンギ車受けの設計も変更された。花模様が手彫りされた段差式テンプ受けとガンギ車受けによって、ムーブメントに均整の取れたアクセントが生まれる。この二つの部品には魅力的な美しいハンドエングレービング、そして細かな面取りなどハイアーティスティック・フィニッシュが施されている。
透明なサファイアクリスタルダイヤル
ブラックカラーのモリッツ・グロスマンのロゴが透明なサファイアクリスタルダイヤルに印字されている。同じようにブラックで印字された11時から5時までのインデックス、ミニッツスケール、そしてスモールセコンドの目盛りと、ローズゴールドケースまたはホワイトゴールドケースとのコントラストが目を引くだろう。マニュファクチュールでブラウンバイオレットへと焼き戻された針とネジが、エレガントな色合いをさらに引き立てる。ローズゴールド、ホワイトゴールドモデルともにダークブラウンのアリゲーターストラップが合わせられた。
ストップセコンド機能搭載のプッシャー付き手巻き機構
新しくデザインされたムーブメントの裏側では、手巻きおよび針設定機構が輪列ブリッジに統合されているため、初めてその動きの全てを観察できるようになった。ほぼすべての部品が鏡映のように構成されているが、プッシャーは同じ位置で機能するよう工夫が凝らされている。また、ストップセコンドのためのテンプストップ機能も再設計された。リュウズを少し引き出すと、カンヌキが作用し時刻修正モードへと切り替わり、同時に中央へと伸びるプッシュバーを介してブレーキばねに伝えられ、テンプが停止する。プッシャーを押してムーブメントがリスタートした後、ブレーキばねとプッシュバーは静止位置に戻る。モリッツ・グロスマン独自のこの優れた機構により、リュウズを操作する際にほこりがムーブメントへ入ることや、リュウズを押し戻す際に誤って合わせた時刻がずれてしまうことが防げるのだ。
モリッツ・グロスマン『バックページ・トランスペアレント』
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