2020年7月に発表された「トンダ GT」コレクションには、SSでアニュアルカレンダークロノグラフの「トンダグラフ GT」がラインアップされている。このたび新たに登場するのは、「トンダグラフ GT」のローズゴールドブルー。ケース素材の違いと、6時位置のインダイヤル以外に変更点はないように見えるが、実は大きく異なっている。共通するのは外観の美しさだけでなく、このモデルには、2016年に登場したスプリットセコンドクロノグラフ「トンダ クロノール アニヴェルセール」のCal.PF361をベースに開発された、COSC認定の一体型クロノグラフCal.PF365(現在はカルパ クロノールにのみ搭載)を丸型ケース用に再設計し、ビッグデイト機能を与えたPF071自動巻きムーブメントを搭載している。
自動巻き(Cal.PF043)。56石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.7mm)。100m防水。ラバーストラップ。世界限定200本。213万円(税別)
(右)パルミジャーニ・フルリエ「トンダグラフ GT」
自動巻き(Cal.PF071)。42石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約65時間。COSC認定クロノメーター。18KRGケース&ブレスレット(直径42mm、厚さ14.3mm)。100m防水。世界限定25本。754万円(税別)
新開発の一体型クロノグラフ「トンダグラフ GT」
自動巻き(Cal.PF071)。42石。3万6000 振動/時。パワーリザーブ約65時間。COSC認定クロノメーター。18KRGケース&ブレスレット(直径42mm、厚さ14.3mm)。100m防水。世界限定25本。754万円(税別)。ラバーストラップモデルは472万円(税別)
ダイヤルはスタイルをキープしながらも関連するすべての情報を読みとりやすく設計されている。スモールセコンドのサブダイヤル、クロノグラフ機能にさらにふたつ、12時位置にビッグデイト、ブラックの発光塗料でコーティングした時分を示すデルタ型針で表示する。ビッグデイトもモジュールではなくムーブメントに統合されているため、技術的な信頼性が保たれている。限られたスペースの中に13mmのディスクを収納するために、スペースを最大化する必要があった。
ローレット加工のベゼル、しずく型のラグが特徴
18Kゴールドの42mmのケースに、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げの18Kゴールドのブレスレットが組み合わされ、ローレット加工の刻みが入ったベゼルは、ミシェル・パルミジャーニが最初につくった時計トリックを、ケースの基礎は、2017年ジュネーブ時計グランプリのクロノグラフ部門で受賞したトンダ クロノール アニヴェルセールを踏襲している。ラグをしずく型にアップデートし、人間工学に基づいて設計された一体型ブレスレットを備えたケースは非常に美しい。
自動巻き(Cal.PF071)。42石。3万6000 振動/時。パワーリザーブ約65時間。COSC認定クロノメーター。18KRGケース&ブレスレット(直径42mm、厚さ14.3mm)。100m防水。世界限定25本。754万円(税別)
カムではなくコラムホイール
ムーブメントは、クロノグラフの軸となるひとつのセントラルコラムホイールを中心に構築されている。この部品は、オペレーションをスムースにし、パルミジャーニ・フルリエで「クロノグラフの起動人間工学」と呼ぶプッシュボタン操作時の感触の良さと作動の快適さを最大限にしてくれるが、製造をマスターするのはとても難しいものだ。
自動巻き(Cal.PF071)。42石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約65時間。COSC認定クロノメーター。18KRGケース(直径42mm、厚さ14.3mm)。100m防水。世界限定25本。472万円(税別)
水平クラッチではなく垂直クラッチ
接続点が1カ所のみの受けではなく、テンプ上に渡された「コック」と呼ばれるブリッジによって固定されたテンプ
ムーブメントの調速機能を担うテンプは、その上を横断する二点支持式のブリッジによって、より頑丈かつ安定した状態で組み込まれている。このアタッチメントは、ゴールド製の慣性ブロックのついたテン輪が受ける衝撃の影響を最小限に抑えると同時に、ムーブメントの他の部分に合わせて高さを調節できるように設計されている。
毎時3万6000 振動
振動数が多いほどクロノグラフは正確になる。自社製造の一体型クロノグラフは稀少だが、5ヘルツで振動する一体型クロノグラフをつくるのはさらに稀です。これは、クロノグラフの秒針が1 秒あたり10 回のジャンプまたは「ステップ」を実行することを意味し、1秒の10分の1近くまで正確になるのだ。他のクロノグラフの多くは、1秒あたり8回のジャンプしか行わないため、精度が25%低下する。
全てのムーブメントは、職人の手によって面取りと研磨仕上げがなされる
ケースバックからのぞくムーブメントには、仕上げの技術力の高さと細部へのこだわりが見てとれる。パルミジャーニ・フルリエが手がけるすべてのムーブメントには、職人の手によって面取りと研磨で仕上げられている。このキャリバーでは、目に見えるすべての部品が表面を手作業で装飾されているが、陽の光が当たらない部品でさえもサンドブラスト加工されている。ブリッジ、ホイール、スプリング、レバー、およびその他のごく小さなコンポーネントにもケアが行き届いていて、それはパルミジャーニ・フルリエのオートオルロジュリピースの特徴となっている。PF071は、サテンのサンレイパターンと22 カラットゴールドのローターを備えている。「エンジェルウィング」ブリッジを含むこれらすべての要素は、ムーブメントの本質的な美しさをつくりあげている。
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