モンブランより新作「モンブラン スターレガシー エグゾトゥールビヨン スケルトン リミテッドエディション8」が、世界8本限定で発売される。スケルトナイズされた立体構造のムーブメントと、同社が特許を取得したエグゾトゥールビヨン機構が特徴のモデルだ。
立体構造のムーブメントが魅せる、職人のハンドワーク
名門ミネルバを傘下に置き、次々と複雑機構を備えたモデルをリリースするモンブラン。そんな同社より、エグゾトゥールビヨン搭載モデル「スターレガシー エグゾトゥールビヨン スケルトン リミテッドエディション8」が発表された。
ギリシャ語で「外」や「外側」を表す「エグゾ(Exo)」の名の通り、エグゾトゥールビヨンとは、テンプをキャリッジの外側に配置したトゥールビヨンのことだ。テンプの大型化が可能となり、より精度を高めることができる。加えて、トゥールビヨンでは実現が難しい秒針停止機構を組み込みやすい。トゥールビヨンがもともと精度向上を目的とした実用向きの機構であったことを考えると、このふたつの特徴は、その原点に忠実に従った進化であると言えるだろう。
そんな機構を搭載した今回の新作だが、特徴はそれだけではない。大胆にスケルトナイズされたムーブメントは、ケースの中で浮遊しているような、一際目を惹くデザインを有している。単なるオープンワークに留まらず、神秘性すら感じさせるのは、ムーブメントの立体構造と各パーツに施された仕上げによるものだろう。地板を5本の支柱で支えることにより、香箱やブリッジとの間に隙間を作り、ムーブメントをケース内側の側面に固定することで、この不思議な立体構造を実現させている。
各々のパーツは専門の職人が2週間もの時間をかけて磨き上げている。部位によってサーキュラーグレイン、鏡面、面取りなど、用いる技術も多岐に渡り、加工が必要な内角は420カ所にものぼる。機械では困難な細部の仕上げも、職人が自ら編み出した技術やツールを駆使して仕上げる。最終仕上げには、ダイヤモンドペーストを塗布したリンドウなどの茎を使用する徹底ぶりだ。こうして出来上がったパーツを隅々まで多角的に鑑賞することができるのは、立体構造の恩恵である。
搭載されるキャリバーMB M18.69は、ヴィルレにある同社の工房、つまり旧ミネルバで製造されている。ケースバックからは、それを示す「MINERVA」や「Villeret」の文字やミネルバのロゴが刻印され、コハゼはロゴをモチーフにした矢印型となっている。アンティーク市場において根強い人気を誇るミネルバ。その名が今なお受け継がれていることは、往年のファンにとって喜ばしいことではないだろうか。
12時位置にオフセットされたダイアルは、18Kゴールドとグラン フー エナメルによって作られている。スケルトナイズされたムーブメントに目が行きがちだが、リーフ型時分針、アラビアインデックス、レイルウェイミニッツサークルなど、ダイアルはクラシックなデザインに纏められており、このモデルの持つ、職人の技術や伝統への敬意がより強調されている。
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