新しく発表された「キャリバー400」は、オリスが生み出した自動巻ムーブメントの基準を刷新する、全く新しいムーブメントだ。5日間(120時間)パワーリザーブと高度な耐磁性を備え、推奨オーバーホール期間は10年毎で、品質保証期間も10年と、現段階で業界最長の保証期間をぶち上げた。
オリス「キャリバー400」
オリス「キャリバー 400」
自動巻き(cal.400)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約5日間。日差-3~+5秒(COSC基準範囲内)
自動巻き(cal.400)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約5日間。日差-3~+5秒(COSC基準範囲内)
私たちはコンピューターや電話、エアバッグなど、時計のムーブメントに悪影響を及ぼす磁場に囲まれている。デスクワークが増えたせいで、巻き上げ効率が悪い自動巻きは、いつのまにか止まってしまっていることも多い。つまり、全ての機械式ムーブメントは進化が必要なのだが、進化させたブランドはまだまだ少ない。オリスは新しいキャリバー400にシリコン製脱進機やアンクルを採用することをはじめ、30以上の非鉄及び耐磁性パーツを使っている。有名なデュボア研究所のテストで、キャリバー400は丸1日2,250ガウスの磁気に晒された1 日後、日差10秒以内を記録した。最新のISO764による耐磁性基準は、200ガウスに1 日晒した1日後の日差30秒以内が基準となっている。キャリバー400は、その基準の11倍の磁力に対して、日差は基準値の1/3まで抑え込んでいる。これは、約180,000A/mの耐磁性能に等しく、標準のETA/セリタムーブメントよりも90%以上優れているため、かなり高度な耐磁性と言える。
キャリバー 400では、パワーリザーブを延長しつつ動くパーツにかかる負荷を減らすべく、動力をためる主ゼンマイのトルクを減らすことがフォーカスされた。その結果、輪列に新しい形の歯車を導入して、駆動効率が上げられた。キャリバー400は、主ゼンマイからのエネルギー伝導効率が通常の70 %から85%に向上している。
これまで、自動巻ムーブメントの故障の多くは、主ゼンマイの巻上システムによるものだった。そのため、キャリバー 400では、通常ローターに組み込まれているボールベアリングをスライドベアリングに代えて、片方巻上にすることで安定性を向上させた。金属製スタッドが潤滑スリーブ内で動く、シンプルで、効率的かつ堅牢なシステムで、故障しにくいものになった。
キャリバー 400には新しい脱進機が投入された。アンクルとガンギ車にはシリコンを採用し、テン輪とガンギ車とアンクルの軸には非鉄金属素材が用いられている。その他の30以上のパーツにも非鉄または耐磁性金属を使うことで、耐磁性が高められた。キャリバー400は、通常のスイス製機械式ムーブメントと比較して、磁気の影響を90 %以上受けにくくなっている。
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