今年発売された新しいヴァシュロン・コンスタンタン・コレクション「エジェリー」は、オートクチュールとオートオルロジュリー(高級時計製造)の2つの世界が出会い、それぞれが結びつける共通の価値観に敬意を表している。この期間限定のポップアップストアでは、ヴァシュロン・コンスタンタン銀座ブティックがエジェリーの世界観を表現した空間と化し、展示される時計は、メゾンがプライベートに保存するヘリテージ・コレクションから選んだセレクションで、オートクチュールとの緊密な関係をあらためて浮き彫りにし、2世紀以上に渡って女性用の時計の創作に取り組んできたことを証明する展示になる。
女性用のヘリテージ・ウォッチを厳選した特別展
ヴァシュロン・コンスタンタンのヘリテージ・コレクションには、1300点以上にものぼる時計が含まれ、レディス・ウォッチの分野における創作にも並外れた勢いがあったことを物語っている。歴史に残る最初のものは1815年に遡る。このイエローゴールド製の懐中時計は、ケースバンドに繊細な花を象った彫金が施され、ガーネットがそのモチーフを引き立てるデザインに特徴があり、メゾンが早くから女性向けに特別な注意を払っていたことを示している。機能的な時計や儀礼用の時計であれ、ジュエリー・ウォッチやスポーツ・ウォッチを問わず、ヴァシュロン・コンスタンタンが女性用として創作した時計は、常に芸術的な潮流を取り込み、その時々の衣装のトレンドや、女性の社会的地位の変化、彼女たちの望みや、さらには自由奔放な気持ちに寄り添ってきた。こうしたレディス・ウォッチは、1800年代からヴァシュロン・コンスタンタンの最も熟達した時計づくりに絶えず影響を与えてきたのである。
イエローゴールドとシャンルヴェ・エナメルの女性用ペンダントウォッチ(1834年製造)

時計を腕に着ける以前の頃は、女性たちはペンダントとして着けて楽しんでいた。花から着想したモチーフを繊細な多色のシャンルヴェ・エナメルでカバーに描いたこのペンダントウォッチも同様である。ケースバンドには花と葉のモチーフが彫られ、シルバーの文字盤にはギヨシェ彫りでタペストリー模様があしらわれている。

この時計は、極めて装飾的なジュエリー・ウォッチを好んだ当時の女性らしい嗜好を証明していて、それにはヴァシュロン・コンスタンタンが一貫して培った芸術的な職人技の熟達が少なからず求められた。
彫金を施したイエローゴールドの“サプライズ”ポケットウォッチ(1928年製造)

狂騒の20年代は、人々の情熱を新たな世界の探求へと駆り立てた。大西洋横断航路が実現し、異国が旅の目的地になった。その結果、いつでも時刻が確認できるトラベルウォッチが旅行を通して使われるようになった。そうした女性たちから支持されたのは、ヴァシュロン・コンスタンタンが彼女たちを想定して作った“サプライズ”ウォッチだ。

この1928年のイエローゴールドのモデルのように、それらは基本的にアールデコ・スタイルから着想して作られ、ジェムセッティングやギヨシェ彫り、エナメルや幾何学模様の彫金といったメティエ・ダールが自由奔放に用いられたものだった。
ダイヤモンドをあしらい彫金を施したトノー型ケースの女性用腕時計 (1929年製造)
8角形のホワイトゴールドの女性用腕時計、ラピスラズリ文字盤およびメッシュブレスレット(1972年製造)

ヴァシュロン・コンスタンタンがアールデコ運動のデザインコードを腕時計に取り入れた1920年代、丸型から解き放たれたケースの輪郭は、オーバル(楕円)やレクタングラー(長方形)、スクエア(正方形)、あるいはこの1929年のモデルのようにトノー(樽型)を生んだ。いわゆる“フォルム(” 非ラウンド型)と呼ばれる特別な形にデザインされたこのプラチナのハイジュエリーウォッチは、まさにヴァシュロン・コンスタンタンの美的デザインを語るシグネチャーになった。

自由奔放な1970年代は、ヴァシュロン・コンスタンタンの創造性を育む恐るべき温床となり、以前にもまして特別なフォルムの時計によって活気づいた。それはまた、ラピスラズリのようなハードストーンの文字盤を用い、ファセットを刻んだガラスが巨大なダイヤモンドのように突起で固定された、この1972年の8角形時計のように大胆な創作の時代でもあった。濃いブルー文字盤の色彩は、ホワイトゴールドのケースと美しいコントラストを成し、完全にラグと一体化し、ポリッシュ仕上げが施されたメッシュブレスレットへと続いている。
VACHERON CONSTANTIN’S HERITAGE LADIES EXHIBITION
ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック 銀座店
【日程】2020年12月15日(火)~ 12月29日(火)
【営業時間】平日13:00~19:00、土日祝12:00~20:00(定休日なし)
【場所】東京都中央区銀座 7-8-8 Tel: 03-3569-1755
【お問い合わせ】0120-63-1755
※今後の状況により、営業時間変更または臨時休業を実施する場合があります。
ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・オートマティック」にオールピンクゴールドモデルが登場

https://www.webchronos.net/news/54367/

https://www.webchronos.net/news/54367/
ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ」/ 時計にまつわるお名前事典

https://www.webchronos.net/features/53803/

https://www.webchronos.net/features/53803/
ヴァシュロン・コンスタンタン / コニサーたちの選択

https://www.webchronos.net/features/28190/

https://www.webchronos.net/features/28190/