ジンから「103」シリーズの新作として、グリーンを基調とした「103.SA.G」が登場した。サファイアクリスタル風防やシースルーバックを採用しているほか、ラメ入りのグリーンダイアルを生かした、すっきりとしたデザインが魅力の1本だ。「103.SA.G」は世界限定500本での販売となる。
華やかさをまとった、クラシックなパイロットウォッチ
コックピットクロックの製造ノウハウを活かし、パイロットウォッチの製造に足を踏み入れたジン。今でこそ、多彩な場面で活躍するプロフェッショナル向けのツールウォッチを手掛ける同社だが、その原点はパイロット向けの計測機器にあると言っても過言ではないだろう。今回、500本限定で発売されたのは、ミリタリーユースの面影を色濃く残すパイロットウォッチ「103」のバリエーションである「103.SA.G」だ。

このモデルの最大の特徴は、グリーンを基調としたカラーリングだろう。ダイアルはラメの入った鮮やかなグリーンに彩られ、アルミニウム製の両方向回転式ベゼルにはグリーンのアルマイト加工が施されている。パイロットウォッチにグリーンが用いられることは決して珍しくはないが、通常、ツヤを抑えたカーキ系となることが多い。ラメがきらめく鮮やかなグリーンの採用は、パイロットウォッチとして意外な選択だと言えるだろう。
風防にはドーム状のサファイアクリスタルが採用されている。オリジナルのアクリル風防が持つ雰囲気を残しつつ、傷がつきにくい仕様となった。ケースバックも、サファイアクリスタルによるシースルーとなっており、ムーブメントを鑑賞することができる。
これらの特徴を組み合わせたモデルは、限定モデルを除き、現行のラインナップでは存在していない。現行の「103」のベーシックなモデルは、次の2種類がラインナップされている。アクリル風防にねじ込みではないプッシャー、アルミニウム製ベゼル、ソリッドバックの「103.B.AUTO」と、サファイアクリスタル風防にねじ込みプッシャー、ステンレススティール製ベゼル、シースルーバックの「103.B.SA.AUTO」だ。前者はよりオリジナルの「103」に近く、後者はより現代的なスペックにアップデートされている。
今作は、それら双方の特徴を少しずつ受け継いでいる。プッシャーとベゼルの仕様は「103.B.AUTO」を踏襲し、風防とケースバックは、「103.B.SA.AUTO」と同じ仕様となっている。これらが組み合わさった結果、耐傷性に優れたサファイアクリスタル風防を持ちつつも、すっきりとしたプッシャー回りと凝縮感のあるアルミニウム製ベゼルが全体のデザインをスマートに見せ、おまけにムーブメントまで鑑賞できる1本に仕上がった。武骨なツールウォッチに留まらない、上品なパイロットウォッチとしての「103」が誕生したのだ。細部まで見ることで、パイロットウォッチらしからぬ鮮やかなグリーンダイアルが、スポーティなデザインに華やかさを添える大役を担っていることが分かる。


https://www.webchronos.net/iconic/49018/

https://www.webchronos.net/news/42493/

https://www.webchronos.net/features/57352/