モンブランは、2018年に登場した「モンブラン 1858 ジオスフェール」に新しいテーマを与えた。探検家であるラインホルト・メスナーが、04年にゴビ砂漠横断2000kmの単独トレッキングを成功させた快挙への敬意を込め、砂漠をイメージしたカラーリングになっている。ケースバックに独自のレーザー加工技術で施された、リアルな風景にも注目したい。
探検家精神が生み出したタイムピース
モンブランの1858コレクションはミネルバ創業160周年を記念して誕生したシリーズで、主にミネルバの軍用に考案された1920〜30年代の懐中時計をもとにデザインされている。探検家の精神にインスパイアされたこのコレクションは、実用においても十分な力を発揮するツールウォッチである。
本作は、2018年に発表された「モンブラン 1858 ジオスフェール」をベースとした限定モデルで、世界的に著名な登山家、ラインホルト・メスナーが達成した偉業に敬意を表すことで誕生した。彼は04年、中国とモンゴルにまたがるアジア最大の砂漠であるゴビ砂漠を、5週間かけて約2000kmもの距離を単独で横断したのだ。これは紛れもなく世界初の偉業で、モンブランは彼とのパートナーシップを結んでいる。
自動巻き(Cal.MB29.25)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。ブロンズ(直径42mm、厚さ12.8mm)。10気圧防水。世界限定1858本。85万9100円(税込み)。
偉業の舞台であるゴビ砂漠の風景からインスピレーションを得た本作は、スモークブラウンからベージュのグラデーションをラッカーで仕上げたダイアルが特徴。光沢のあるローズゴールドカラーのインデックスや針、そしてブロンズ製のケースとも相まって、全体的に柔らかな印象を受ける。
ツールウォッチとしての視認性を確保するためにインデックスや時分針、北半球と南半球に分けられたワールドタイム表示には、ベージュ色のスーパールミノバが施されている。また、両半球の黒い経度基準子午線の上にも透明色のものが用いられ、これらは全て手作業で施されている。
限定モデルならではの特筆すべきポイントは、ふたつの地球儀の大陸上に表示された赤いドット。これらは、メスナーがこれまでに登頂を成功させてきた世界7大陸の山々と、モンブランの山頂の位置を示しているのだ。彼が成し遂げた偉業の数々を、視覚的にも実感できるという工夫である。
レーザーで描かれる風景
さらに注目すべきはケースバックに施されたゴビ砂漠の風景と羅針図だ。北アジアを横断するメスナーのルート上にあったバヤンザグ、別名「炎の壁」と呼ばれる場所が描かれている。これは、同社が特殊な技術を駆使して3Dレンダリングを行い、プリントではなくレーザー彫刻によって写真のような奥行きとリアリズムを追求したものだ。
部分によってマットと光沢に分けてシルエットを描いた後、色付けまでレーザーで施される。カラーリングはレーザーで生成された酸化作用によって行われ、酸化の度合いによって得られる最終的な色が決まるという。伝統的な手法を継承しつつ、常に技術革新を求める先進的なメゾンだからこそ為せる技だ。
ミネルバの創業年にちなんで1858本限定で製作される本作。所有者の冒険心をくすぐり、旅をより一層楽しませてくれるはずだ。
Contact info: モンブラン コンタクトセンター Tel.0120-99-8291
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