モリッツ・グロスマンは、ブランド初となる自社製18K ローズゴールド針を採用した、「ハマティック・ヴィンテージ」と「ベヌー・トゥールビヨン」の2 モデルを発表した。両モデルともに見事なゴールド針が際立つブラックダイヤルを合わせており、ローズゴールド製ケースが芸術的な美しい仕上げを一層引き立てている。
ハマティック・ヴィンテージとベヌー・トゥールビヨン
注目のディテール
モリッツ・グロスマンの針製作は、ゴールドの地板からパーツを切り抜くことに始まり、その後ダイヤモンドヤスリを用いて丁寧な研磨を施していく。丸みを帯びた針のフォルムを形作り表面を滑らかに仕上げるには、非常に高いレベルのスキルに加え、並外れた忍耐力、そして何年にも及ぶ経験が求められる。モリッツ・グロスマンの針職人は、特徴的で繊細な針のうち特に仕上げの難しい先端部分においても、常に完璧な出来栄えを追求し続けている。
ランセット型のローズゴールド針を採用したハマティック・ヴィンテージ
自動巻き(cal.106.0)。38石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KRG(直径41mm、厚さ11.35mm)。世界限定8本。660万円(税込み)。
表面を磨き上げた“ Black-or ”ダイヤルにスレンダーな18K ゴールド製の針を合わせたハマティック・ヴィンテージは、世界限定8 本のリミテッドモデルだ。針先の繊細な仕上げが、時刻の視認性を高めてくれる。 “ Black-or ”ダイヤルは手作業で精巧に仕上げられている。濃いグレーであるアンスラサイト色のラッカーをジャーマンシルバー製のダイヤルに何度も塗り重ね、艶のある鏡面仕上げへと丁寧に磨き上げていく。“ Black-or ”の輝きを保つため、ダイヤル表面には透明のラッカーが塗られている。
新たに独自設計された振り子式自動巻き機構
一般的なローター式ではなく、中央部が大きく開いたハンマーフレームを用いた振り子式自動巻き上げ機構を採用。先端にゴールド製の重りを組み込んだハンマーフレームは、時計を着けた腕の動きに合わせて左右に揺れ動き、その動力が2 つのラチェットホイールを通じてゼンマイへと伝わる。19 世紀の機構にインスパイアされたこのメカニズムにより、ムーブメントのサイズを最大限に活かしたトルクを得るとともに、非常に高い巻き上げ効率を達成した。ムーブメントを覆い隠すことのないハンマーフレームの開口部から、その美しい仕上げを細部まで堪能することができる。
繊細な木の葉型のローズゴールド針を合わせたベヌー・トゥールビヨン
手巻き(cal.103.0)。30石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KRG(直径44.5mm、厚さ13.9mm)。世界限定8本。2552万円(税込み)。
18 世紀以降、トゥールビヨンは時計職人の高い技術を示す機構のひとつとして広く知られている。もとは懐中時計の精度を高めるために開発されたこの機構は、繊細であると同時に非常に複雑であり、ブランド名である時計職人モリッツ・グロスマンが目指した時計製作の理念とも結びついている。グロスマンの一番の関心は常に時計の正確さにあった。彼の名を継いだ新生モリッツ・グロスマンは2013 年に手巻き式のベヌー・トゥールビヨンを発表している。
フライング・スリーミニッツトゥールビヨンとブラシを用いたストップセコンド機構
キャリバー103.0は、モリッツ・グロスマンのクォリティの高さを象徴する非常に精巧なムーブメントだ。最も目を引くのは6 時位置のスリーミニッツトゥールビヨンの大型キャリッジである。グラスヒュッテの時計師アルフレッド・ヘルウィッグのトゥールビヨンに倣い、V字型のブリッジを備えた大型ケージを採用した。モリッツ・グロスマンの理念に従ってトゥールビヨンの精度をより高めるためにはストップセコンド機構が必須で、テンワをスムーズに停止させるためには、V字型の支柱を超えてその向こうのテンワまでストッパーが届く必要があった。モリッツ・グロスマンは柔らかなブラシを用いることで、ムーブメントへ負担をかけずに正確な時刻調整機構を実現した。この優れた大型キャリッジは59 個のパーツで構成され、3 分間で反時計回りに1 回転する。
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