H.モーザー、ブルーエナメルのダイアルを採用した限定モデルを発表

2021.07.12

H.モーザーのヘリテージコレクションに「ヘリテージ・パーペチュアルカレンダー ミッドナイトブルー エナメル」が追加された。グラデーションを取り入れたエナメルダイアルを採用し、パーペチュアルカレンダーを備えている。世界限定20本という希少性の高さが、時計愛好家の所有欲を掻き立てる。

ヘリテージ・パーペチュアルカレンダー ミッドナイトブルー エナメル


伝統をたたえる

 H.モーザーは、伝統を重んじるヘリテージコレクションに、今回発表された新作「ヘリテージ・パーペチュアルカレンダー ミッドナイトブルー エナメル」を追加した。その名が示す通りパーペチュアルカレンダーを備え、深いブルーカラーのエナメルダイアルを採用している。

ヘリテージ・パーペチュアルカレンダー・ミッドナイトブルー・エナメル

H.モーザー「ヘリテージ・パーペチュアルカレンダー ミッドナイトブルー エナメル」
手巻き(Cal.HMC 800)。32石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約168時間。18KWGケース(直径42mm、厚さ12.6mm)。30m防水。世界限定20本。1375万円(税込み)。

 同社が展開するヘリテージコレクションは、1828年から続くブランドの歴史の中でも、特に20世紀初め頃に製作されたポケットウォッチから着想を得て製作されている。丸みを帯びたラウンドケースは懐中時計を彷彿とさせ、比較的細いワイヤーラグとの組み合わせが、古典的な印象と結びつける。1920年台初頭に製作されたアンティークウォッチのフォルムを受け継いでいるのだ。

ヘリテージ・パーペチュアルカレンダー ミッドナイトブルー エナメル

 この新作で特筆すべきは、随所に配されたエナメル装飾だ。ケースの側面を取り囲むように窪みがあり、そこに人の手によるエングレービングで格子状のパターンを入れる。その上から半透明のエナメルがインサートされているのだ。明るいブルーのエナメルが、鏡面に磨かれた18Kホワイトゴールドの表面とのコントラストを生んでいる。これは、他ではあまり見られない手法だ。

深みのあるエナメルダイアル

 この時計の顔であるダイアルは、ケース側面とは異なる風合いのグラン・フー(高温焼成)エナメルを採用している。グラデーションをつけた「ミッドナイトブルー」は、H.モーザーが初めて取り入れた色だ。同社のお家芸とも言えるフュメダイアルを、古典的なアプローチで際立たせている。

 ダイアルの周囲はレールウェイ・ミニッツトラックが囲み、シンプルな書体のローマ数字がクラシカルな雰囲気を演出。磨き上げられたスペード型の針は視認性に優れている。このデザインも懐中時計を製作していた時代から根本的には変わっていない。

ヘリテージ・パーペチュアルカレンダー ミッドナイトブルー エナメル

 全体をシンプルに見せながら機能性を充実させるのも、H.モーザーらしい手法だ。時分針の他に6時位置のスモールセコンドや9時位置のパワーリザーブを備える。また、中心から伸びる短い針がローマ数字を指し示すことで、月を表す。

 3時位置の大きめの窓で示す日付は、こう見えてもパーペチュアルカレンダーである。加えて、時計を外して裏側にする必要があるが、ムーブメント側で4年に1度の閏年をカウントする表示も備えている。

HMC 800

今回のモデルが搭載するムーブメントは、自社製のキャリバーHMC 800。ふたつの香箱を組み込むことで約168時間(約7日間)駆動するエネルギーを確保し、高精度なフリースプラング式のテンプを備えている。輪列を支える穴石の多くがゴールドシャトン留めだ。本機が搭載するパーペチュアルカレンダーには独自の「フラッシュ・カレンダー」システムを採用しており、深夜0時になるとデイト表示が瞬時に切り替わる。

 現行のヘリテージコレクションの中では異彩を放つ「ヘリテージ・パーペチュアルカレンダー ミッドナイトブルー エナメル」は、20本のみが製作される希少な限定モデルだ。手に入れることは困難を極めるだろう。


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