ヴァシュロン・コンスタンタンが発揮した創造性と大胆さを讃える展覧会「クラシックウィズアトゥイスト」を開催

2021.09.03

ヴァシュロン・コンスタンタンは、20世紀初頭にブランドが発揮した、創造性と大胆さを称える展覧会「クラシックウィズアトゥイスト」を開催する。時計愛好家の中で人気を博する「アメリカン 1921」の100周年を祝うとともに、個性的なフォルムを持つアンティークウォッチを複数展示。開催場所はヴァシュロン・コンスタンタンブティック銀座、会期は2021年9月7日（火）から10月11日（月）だ。

アンティークウォッチ

個性的なデザインが生まれた時代を振り返る

　ヴァシュロン・コンスタンタンは、アイコニックな「ヒストリーク・アメリカン 1921」の誕生100周年に合わせ、展覧会「クラシックウィズアトゥイスト」を開催する。同ブランドが20世紀初頭に多く取り入れた、高い創造性の中で生み出された大胆なデザインを持つモデルにフォーカスした展覧会だ。

　今回のイベントのテーマ「クラシックウィズアトゥイスト＝伝統的でありながら遊び心がある」は、腕時計に採用されたさまざまな形状やデザイン、また1920年代のアール・デコの中で生まれた幾何学模様を大胆に用いたモデルなどを指す。

　典型的なラウンド型ではなく、厳格な正方形や驚くような菱形、優雅なクッション型など、これまでに無かった型破りな腕時計を次々と生み出した。19世紀の終わりごろまで、女性だけが身に着けるものだと考えられた腕時計は、20世紀に入ると時刻がわかるという機能性やその重要性が理解され、男性を魅了するようになったという。

スクエア型腕時計 Ref.10242（1917年）
1910年代に起こった伝統的なラウンド型と懐中時計との差別化は、スクエア型（正方形）やレクタングラー（長方形）の腕時計によく現れていた。このシンプルでありながら幾何学的なデザインは、産業や芸術、建築などの分野で多く用いられていた。1917年に製作されたこのモデルは、18Kイエローゴールド製のスクエア型ケースにシルバーダイアルを組み合わせ、本作が誕生した時代背景をよく表している。

クッション型腕時計 Ref.11507（1919年）
腕時計の黎明期、ヴァシュロン・コンスタンタンは腕への装着に適したケース形状を数多く考案した、伝統的で正統派なデザインの打破に挑んだ時計ブランドのひとつである。ホワイトエナメル製でアラビア数字が配されたダイアルは懐中時計と大差は無いが、曲面で覆われた18Kイエローゴールド製のクッション型ケースは、手首に載せた際に最適な形状だと考案され、現在でも多くのブランドが採用している。

　デザインの変化とともにあったのは、特殊な形状のケースに搭載することが可能な機械式ムーブメントだ。小型化の目覚ましい進歩によって驚くほど多種多様で前衛的なデザインが可能になり、その表現の領域を大きく広げた。すなわちトノー（樽型）、ロザンジュ（菱形）、レクタングル（長方形）、オーバル（楕円）などのモデルである。

　この展覧会では、大胆なひとつの運動を生み出し、伝統に逆らい、あらゆるデザインに道を開くことに大きく貢献した、活気あふれる1910年代から30年代にブランドが発揮した旺盛なエネルギーを、展示されているモデルの数々から感じ取れるだろう。

ポインテッド・ロザンジュ型腕時計 Ref.11144（1919年）
ヴァシュロン・コンスタンタンは、1910年初めにポインテッド・ロザンジュ型（尖った菱形）というフォルムを生み出した。18Kイエローゴールド製のベゼルが、ブレスレットに向かって長く伸びた大胆な形状が特徴で、ケースに合うように湾曲させたアラビア数字が目を引く。18Kイエローゴールド製のしなやかなブレスレットは、ジュエリーのように手首を包む。

湾曲したトノー型腕時計 Ref.10357（1922年）
腕時計は時代の変わり目に、一種のジュエリー同様の感覚で日常的なアクセサリーのひとつとなった。18Kイエローゴールドのケースを持つこのモデルではトノー形を採用し、ワイヤーラグで留められたブレスレットケースとの一体感を生んでいる。グレイン仕上げが施されたシルバートーンのダイアルには、ブラックエナメルによる12個の上品なアラビア数字と、外周にはミニッツトラックが配されている。