機械式時計ユーザー注目。セイコータイムラボが脱磁器の一般販売を開始

2021.10.11

セイコーウオッチの修理・メンテナンスを担うセイコータイムラボが、脱磁器を一般ユーザー向けに販売を開始した。セイコータイムラボのECサイトで購入することができ、磁気の影響を受けやすい機械式時計のユーザーは必見のアイテムだ。

メカ時計専用脱磁器

セイコータイムラボ「メカ時計専用脱磁器」
高さ81mm×幅120mm×奥行き120mm。重さ4kg。入力電源AC100V。保証対象商品(注文から1年以内)。11万9900円(税込み)。セイコータイムラボ オンラインストアにて販売中。


機械式時計の磁気帯び症状を自宅で解消

 セイコータイムラボは、一般ユーザー向けに脱磁機の販売を10月より開始した。主にセイコーウオッチの修理やメンテナンス全般を行う、セイコータイムラボの公式オンラインショップで販売中だ。

 一般的に、機械式時計は磁気に対して非常に弱いものであり、トラブルの原因として非常に多いのが磁気帯び(磁化)である。機械式ムーブメントが帯磁してしまうと、精度が大幅に悪化するだけではなく、内部損傷などの深刻なダメージにつながるリスクがある。特に磁気の影響を受けやすいパーツがヒゲゼンマイで、磁気を帯びると極端に運針が早くなり、最悪の場合、運針が止まってしまうこともある。

 また、デジタル機器に囲まれた現代において、磁力を発するものは多い。スマートフォンのスピーカーやタブレット端末のカバー、パソコンのキーボードなどには永久磁石が用いられており、日常生活の中で知らずに帯磁させている可能性がある。

 そこで、磁気帯びさせてしまった時計の磁気を抜くための専用機器が「メカ時計専用脱磁器」。セイコータイムラボの現場でも実際に使用されており、一度の作業で脱磁が完了する、高い性能が特徴。脱磁をさせる面が比較的大きいため、時計の大きさを問わず使用することが可能だ。

脱磁器

使用方法はシンプルで、電源スイッチを押しながら、本体上部の鉄板から1cmほど浮かせて5〜10秒間ほどかけてゆっくりと通過させるのみ。なお、本体下部の黒いアクリルプレートは、磁気の発生する範囲を表している。

 本器を使用するうえで、いくつかの留意点がある。1回の使用は1分以内、連続使用は30回までで、使用中は電子機器を近づけてはならない。また、機械式時計での使用を推奨しているため、クロノグラフなどの複雑なモデルや、GPS機能がついたデジタルウォッチなどは、一部の時計で基準位置のズレが生じてしまう可能性があるため、十分注意したい。

 機械式時計と隣合わせにある磁気帯びという危険。愛用する時計の“健康状態”を維持するためにも、1台所有しておくと安心だろう。


Contact info: セイコータイムラボ オンラインショップ専用窓口 Tel.03-5624-2076


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