ジャガー・ルクルトは、レベルソの誕生から90周年を迎える今年、寅年にオマージュを捧げた新作「レベルソ・トリビュート・エナメル “タイガー”」を披露した。本作は中国の旧正月を祝うのと同時に、上海の新しいジャガー・ルクルト ブティックのオープンに合わせて製作された限定モデルだ。
反転ケースを活かしたユニークなエナメル装飾
レベルソ誕生90周年である2022年、ジャガー・ルクルトはレベルソの新たなモデル「レベルソ・トリビュート・エナメル “タイガー”」を披露した。ブランドが誇るクラフツマンシップとクリエイティビティを、驚くべき方法で表現した本作は、中国の旧正月および上海でのジャガー・ルクルトの新しいフラッグシップブティックのオープンに合わせて製作された。もっとも目を引くのは、寅年にオマージュを捧げたというエナメル装飾だ。
手巻き(Cal.822A/2)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KPG(縦45.5×27.4mm、厚さ9.73mm)。3気圧防水。受注生産品。予価9万ユーロ。
レベルソが1931年に誕生した時、最たる特徴である反転式のケースは、ポロの競技中に身に着けても腕時計の文字盤と風防が傷つかないための画期的な解決法として独自に生み出されたものだった。しかし、何も描かれていないまっさらなケースバックは、芸術的な表現のための理想的なキャンバスであり、エングレービングやエナメルをはじめとする伝統技法で装飾を施すのに適していた。
今回の新作のケースを裏側に反転させると、堂々とした虎が姿を現す。18Kピンクゴールド製ケースに彫金によって描かれたこの虎は、オペークブラックのグラン・フー・エナメルの背景から飛び出してくるかのように見えるだろう。光を捉えて反射させることで虎の毛を際立たせ、躍動感や立体感を生み出している。
このエングレービングに奥行きを出すために、職人は「モデルエングレービング」と呼ばれる技法を使用し、さまざまなサイズのビュランを使い分けたという。本作には新たな解釈を加えるため、エングレービング職人は、通常のような何も描かれていないケースバックの表面ではなく、グラン・フー・エナメルでコーティングされた表面に装飾を施したのだ。エナメルの表面に傷をつけないよう、これまで以上に慎重で正確な動作が必要であり、ひとつのキャンバスを完成させるのにおよそ55時間を費やした。
また本作の文字盤には、ケースバックと同じ「オペークブラック」カラーのグラン・フー・エナメルが施されている。ファセット加工された植字のインデックスやレールウェイミニッツトラック、ドーフィン針を備えたレベルソ・トリビュートの文字盤のエレガントなシンプルさは、18Kピンクゴールドのケースと見事に調和している。
Contact info: ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833