ルイ・ヴィトンの「スピン・タイム」は、2009年の発表時に、これまでのジャンピングアワーの複雑機構を再考し、一般的な時間の表示方法を3次元のダンスへと昇華させ話題を集めた。
新作「タンブール スピン・タイム エアー クァンタム」は「スピン・タイム」の3 次元的な動きはそのままに、さらなる進化と変貌を遂げている。アワーのキューブがオンデマンドで発光し、第4 の次元が加えられたかのようだ。キューブの内部から発光しているように見えるこの神秘的な光は、時計専業メーカーにはないルイ・ヴィトンの独創性を証明している。
ルイ・ヴィトン「タンブール スピン・タイム エアー クァンタム」
自動巻き(cal.LV 68)。26石。28,800振動/時。Ti(直径42.5mm、厚さ12.3mm)。パワーリザーブ約35時間。50m防水。1075万円(税込予価)。
ウォッチの中央には、複雑機構を専門とするジュネーヴのウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」によって独自開発されたキャリバーLV 68が搭載されている。まるでウォッチケース内に浮いているかのように見えるキャリバーLV 68は、従来の「スピン・タイムエアー」のムーブメントと同様、機械式ムーブメントであり、まったく同じ機能を有する。そして、リューズに組み込まれたプッシュボタンを押すとアワーキューブが発光する。各キューブの上面のフランジ内部に直接配置された小さなLEDの成せる技だ。LEDは、各キューブ内に小さいながらも力強い光線を放ち、キューブが内側から点灯しているように演出する。
特徴
「タンブール スピン・タイム エアー クァンタム」の先鋭性は機械式のスピン・タイムとは一線を画す大胆な美学に反映されている。スーパールミノバの特徴的な色である鮮やかな発光塗料のグリーンとイエローとは対照的な、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを施したマットブラックのケースを採用した同ウォッチは、ルイ・ヴィトンのロゴを回路基盤に見立てたユニークなメタライズエンブレムがサファイアバックのデザインに採用され、どこから見ても統一感のある世界観を表現している。
イルミネーションを明るく、そして持続して点灯させることが可能だ。プッシュボタンを押し続けている限り、キューブは点灯し続ける。また、プッシュボタンから指を放した後も、イルミネーションは3 秒間点灯し続ける。
従来の「タンブールスピン・タイム エアー」のキューブは圧延アルミだが、「タンブール スピン・タイム エアー クァンタム」は、ほぼ純粋な二酸化ケイ素でできたガラスである溶融シリカ(石英ガラス)を採用している。不純物や添加物を無くすには、非常に高い温度での加工が必要であり、従って、より手間と時間を要する製造プロセスとなる。しかし石英ガラスが、光学レンズ、半導体、そしてLED の光を通す本製品のアワーキューブなどの精密な用途向けに最適の素材である理由は、まさにこうした極めて純度の高い透明度を確保できるからだ。
LEDの電源はフランジの下に隠された特殊なリングで固定される2つの電池から供給され、ムーブメントの電子部分や機械式部分を傷付けることなく電池交換が可能になっている。また、リューズの底部にあるさりげない点灯リングは、電池残量インジケーターの役割を成し、最終的に電池交換が必要になった時に点滅する。
動画
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