ベルギーの時計メーカー「レッセンス」は、世界初のオイル封入式機械式時計をモノクロームで表現した新作モデル『Type3BBB』を発表した。
「Type3B」「Type3BB」の進化を継承した今回の新作『Type3BBB』の“BBB”は、ブラックケース、ブラックダイヤル、ブラックバックル&ストラップの頭文字を取ったもので、2022年12月31日までの1年間の期間限定生産となる。
オイル封入式時計
機械式時計の現状に挑戦し続ける「レッセンス」は、時の表現を越えたデザインと革新的な技術を搭載した「Type3」で、2013年のジュネーブ時計グランプリでHorological Revelation賞を受賞。オイルによる「視覚効果」「高い視認性」という特長を備えている。
視覚効果
分針、時針、日付、曜日、温度計などがセットされた文字盤とドーム型サファイアクリスタル風防の間にオイルを満たすことで生じる目の錯覚を利用した視覚効果と流れるような流動性を表現。
高い視認性
搭載する自社開発(特許取得済み)のROCSユニット(レッセンス オービタル・コンベックス・システム)により、軌道に乗って互いを追いかけるように常に文字盤が動き続けることが可能となり、オイルによって光が屈折して見える文字盤上の情報は、まるで1枚の絵に描かれたように表示され高い視認性を実現した。
完璧な黒い小石
自動巻(Cal.ROCS3/Ressence Orbital Convex System)。47石。毎時28,800振動。パワーリザーブ約36時間。グレード5Ti(直径44mm、厚さ15mm)。10m防水。462万円(税込み)。
レッセンス独自のリューズフリーケースと、エッジからエッジまでがガラス張りの「Type3BBB」は、時計の前面と背面の両方に光沢のあるサファイアクリスタルを、ケースはポリッシュ仕上げのブラックDLCコーティングされたチタン製ケース(グレード5)を採用。インパクトのあるフェイスデザインにするためインジケーターは白とライトグレーのみとし、黒い文字盤とケースとのコントラストを際立たせた。その丸みを帯びた人間工学的なフォルムは、完璧な黒い小石を思わせる。
ROCS(レッセンス オービタル・コンベックス・システム)
同ユニットは、軌道に乗って互いを追いかけるように常に文字盤が動き続けることを可能にする機構で、その最大の目的は、時刻をより効果的な方法で伝えることにある。215個のパーツで構成されるROCSに組み込まれた歯車は、自動巻きムーブメントの分表示の情報を基準にして、時、曜日、そして日付を計算する。
ROCSの製作にあたり、レッセンスの製作チームが直面した課題のひとつは、粘性のある液体中で脱進機を正常に振動させることだった。彼等は斬新的な創意工夫を凝らし、機械の部屋とオイルが封入された部屋を分けて配置した、ふたつのチャンバー・システムを設計。下部のチャンバーはカスタマイズされた自動巻きムーブメントが占め、上部のチャンバーは密閉された空間で、35.7mlのオイルにROCSのディスプレイユニットが浸かっている状態になっている。
ふたつのチャンバー・システムは、時計のムーブメントとROCS の間に直接の繋がりが無いことを意味する。そこで、この構造に適した手法として、磁気によるトランスミッションを用いて、モジュール同士をコネクトしている。マイクロサイズの磁石をオイルが封入された上部のチャンバーと、水分の無い下部のチャンバーに複数配置し、それぞれが引き合う力を利用。またオイルの特性である温度による体積変動を相殺するため、時計の内部にはベローと呼ばれる7 つの小さな鞴(ふいご)で構成されるシステムが搭載され、それぞれのベローがオイルの体積変動に従って収縮する。
Contact info: RESSENCE / レッセンス(DKSH ジャパン) cg.csc1@dksh.com
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