「パイオニア・シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン」のムーブメントには、この分野における H. Moser & Cie. の専門技術を注ぎ込んだ新しいアプローチが用いられている。わずかにドーム型になったサファイアガラスの下、グロボライト®のインデックスを備え、同じように湾曲したサブダイアル、そして円筒形(シリンドリカル)ヘアスプリングを組み込んだミニッツ フライングトゥールビヨンが特に目を引く。非常に印象的で彫刻作品のようなモデルでありながら、バランスの取れたプロポーションと 12 気圧防水は日常使いにも適している。
円筒形ヘアスプリングそのものは 18 世紀に発明され、テンプ軸の上部に沿って垂直に立ち上がる仕組みだ。当時はしばしばマリンクロノメーターに用いられており、同心円状に伸縮するというメリットがある。この円筒形ヘアスプリングは2 つの箇所にブレゲカーブを設けることで軸の摩擦を低減し、等時性を向上させることができる。その効果はトゥールビヨンと組み合わせることでさらに高まるが、しかし、円筒形ヘアスプリングの製造には非常に特殊なノウハウやツールが必要であるため、現在では製造が特に難しくなっている。手作業で1 つの円筒形ヘアスプリングを仕上げるには従来のヘアスプリングの10 倍の時間がかかる。
パイオニア・シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン
自動巻き(Cal.HMC 811)。28石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約74時間。SS(直径42.8mm、厚さ15.3mm)。12気圧防水。手縫いのブラックアリゲーターストラップ。1127万5000円(税込予価)。年内発売予定。
12 時位置に配されたドーム型の小さなサブダイアルにはサファイアガラスと同じようにカーブが付けられ、H.Moser & Cie. を象徴するカラーのファンキーブルー フュメが用いられている。ホワイトの H. Moser & Cie. ロゴが繊細な魅力を添え、インデックスはかなり大胆なスタイルとなった。インデックスにはスーパールミノバ®を混合したセラミックベースのグロボライト®という素材が用いられ、時針と分針のトップに配されたグロボライト®のインサートと共にこのモデルの三次元性を際立たせている。
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