パテック フィリップは新たなハイジュエリーモデル、5374/300Pをウォッチズ&ワンダーズ 2022で披露した。ケースサイドやベゼルだけではなく、文字盤の外周にもバゲットカットのダイヤモンドがセッティングされている。またムーブメントも非常に複雑で、パーペチュアルカレンダーとミニット・リピーター機構を併載している。
ダイヤモンドとブルーサファイアの輝き
パテック フィリップは、新作時計の祭典と称されるウォッチズ&ワンダーズ 2022で数々の新作を発表した。披露されたモデルの中で、最も豪華絢爛で複雑なムーブメントを搭載しているのが、今回紹介するハイジュエリーモデル「ミニット・リピーター・永久カレンダー・ハイジュエリー」5374/300Pだ。
自動巻き(Cal.R 27 Q)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。Pt×ダイヤモンド(直径42mm、厚さ12.28mm)。非防水(湿気・埃にのみ対処)。時価。
複雑機構のひとつである永久カレンダーとミニット・リピーターを併載した5374が初めて発表されたのは2016年だった。ブラックのエナメル文字盤とプラチナケースを組み合わせており、それから約5年後の21年には、ブルーのエナメル文字盤とホワイトゴールドケースを組み合わせたモデルに置き変わった。シリーズ3作目となる本作は、これまでのモデルにジュエリーの要素を加えて再解釈したものである。
まず最も目を引くのは、外装にセッティングされた貴石だろう。なめらかな曲線を描くプラチナケースのベゼル、側面、ラグにはバゲットカットのダイヤモンドが隙間なくセッティングされている。このベゼルは凹型になっており、縁を描くようにセットされたダイヤモンドが2列になっている事が見て取れる。
ベゼルに統合されたフランジには、同じくバゲットカットダイヤモンドでできた分マーカーが並べられ、アワーマーカーはコントラストを成すようにブルーサファイアが用いられている。この独自のデザインは、文字盤上に奥行きを与えるだけでなく、視認性を確保する効果も持ち合わせているのだ。
また貴石に囲まれた文字盤自体の表面は、中心から外周に向かって色調が濃くなる グラデーションが施されている。単に美観だけではなく、視覚的にもバランスよく配置された永久カレンダーの表示を際立たせるという役割も持つという。加えてリーフ型の時分針には蓄光塗料が塗布されている点からも、視認性を重視している事が分かる。
そして搭載するムーブメントは、パテック フィリップの中でも特に複雑なもののひとつである、キャリバーR 27 Q。トランスパレント仕様のケースバックからも鑑賞できるが、ほぼムーブメントの外周を2周するカセドラルゴング付きのミニット・リピーターを搭載しているため、力強く豊かな音量を生み出す。
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