パテック フィリップはウォッチズ&ワンダーズ 2022において、ワールドタイムを搭載した5231Gの新しいバージョンを発表した。職人技を駆使したエナメル文字盤が特徴で、これまでアメリカ大陸やヨーロッパ、アフリカ大陸が描かれてきたが、今作では新たにオセアニアと東南アジアを描いている。日本列島も表現されていることにも注目したい。
日本列島まで見事に再現
パテック フィリップは毎年“稀少なハンドクラフト”と題し、エナメルやエングレービング、細密画、象嵌などの類稀な職人技を活かした一連のコレクションを発表している。今回のウォッチズ&ワンダーズ 2022でも、それに属する作品の数々が発表されたが、今回紹介するのはワールドタイム表示とクロワゾネのエナメル文字盤を組み合わせたモデルの新バージョンだ。
自動巻き(Cal.240HU)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KWGケース(直径38.5mm、厚さ10.23mm)。3気圧防水。1025万2000円(税込み)。
パテック フィリップがこれらふたつの要素を組み合わせたのは、勿論今回が初ではない。世界各国の時刻を表示するワールドタイム機構を搭載したモデルには、しばしば世界のさまざまな地域を描いたクロワゾネのエナメル文字盤で彩られてきた。2019年に発表された5231Gのイエローゴールド仕様のモデルでは、アメリカやヨーロッパ、そしてアフリカ大陸までを描いていた。
今回披露された5231Gの新バージョンで描かれたのは、オセアニアと東南アジアだ。パテック フィリップは、オセアニアと東南アジアのダイナミズムに敬意を表した、と説明している。これまでと同じく、非常に細い金線や釉薬を用いるクロワゾネの手法が用いられている。
地理と詩情を融合したという本作の文字盤。エナメルの職人は、まず金線で大陸や島々の輪郭を作り、その輪郭で仕切られた部分にさまざまな色の釉薬を手作業で流し込んでゆく。すべて流し込むと炉で高温で加熱し、再び釉薬を流し込むという作業が続けられる。そうすることで表面が均一になり、より奥行きのある文字盤が完成するのだ。本作では3、6、9、12時位置にゴールド・パイヨンを置き、4つの方位を強調している。
搭載するのは、マイクロローターの自動巻きを採用する薄型ムーブメント、Cal.240 HUだ。トランスパレント仕様の裏蓋から鑑賞できることは勿論、優れた機能性も特徴。1999年に特許を取得した独創的なメカニズムにより、10時位置のプッシュボタンを押すだけで、ワールドタイムのすべての表示を同時に調整する事が可能である。
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