最高級の品質とともに、世界に通用する日本の美意識、オリジナリティ、時代と文化を超える普遍性を表現した、北村工房の漆芸とのコラボレーション限定ウォッチがクレドールから発表された。
超絶技巧が生み出す漆文字盤
手巻き(Cal.6870)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約37時間。18KYG(直径36.6mm、厚さ6.5mm)。日常生活用強化防水(3気圧)。世界限定8本。1100万円(税込み)。2022年7月22日発売予定。
今回コラボレーションを行ったのは、卓越した漆芸作品で海外からも高い評価を得る「北村工房」である。1985年に北村辰夫氏が石川県輪島市に創設した漆工工房で、その作風は緻密で繊細な蒔絵技法を用いて表現されており、日本のみならず東洋・西洋の美術要素も取り入れ、国を超えて多くの人々を魅了し続けている。
本作のテーマは「SHU」(朱)で、漆にしか出せない朱の風合いと、そのダイアル上にちりばめられた煌びやかな装飾が太陽フレアを想起させる力強さを放っている。
本作は、厚さわずか1.98mmの極薄手巻きムーブメント、キャリバー6870を搭載している。68系ムーブメントは国産最高級ドレスウォッチのために、時計としての性能のみならず、工芸的な価値や美しさを追求して4年の年月をかけ1969年に誕生、1970年代よりクレドールおよびセイコーの多くの高級機械式時計に搭載されてきた。
雫石高級時計工房において、高度な技能を有する時計師が一貫して組立・調整からケーシングまでを手掛けている。調整には100分の1mm単位での精度が求められるため、熟練時計師でも1日にわずか1個から2個しか組み立てられない、少量生産のムーブメントである。
ダイアルの中央部には切金(きりがね)と呼ばれる手法を用いて、金とプラチナの極小の薄板パーツを極限まで近づけて配置している。切金は通常、漆と同一平面になるよう加工を施しているが、本作は漆の上面にひとつひとつ手作業で貼りこみ凸を作りだすことで、太陽フレアのような「ほとばしるエネルギー」を表現している。
北村氏は「お客様は常に“新しいもの”を求めています。そのため北村工房では、見たことがあるようなものや、他で作れるようなものではなく、世界中でここでしかできないものを作るべきだと考えました。そこで、まずは世界の腕時計を徹底的に調べ、そのなかで私たちが他と勝負できるダイアルは何か考えました。そして今回の朱漆と切金のデザインにたどりついたのです。」と語る。
北村工房の目指す理想のものづくりは、まずはこのウォッチを見た人が視覚的に魅力を感じ、それがたまたま漆だった、となることなのである。
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