アーミン・シュトロームを代表するモデル「ミラード・フォース・レゾナンス」が、ケース、ムーブメント、ダイアルのデザインを一新した。アーミン・シュトローム独自のレゾナンス機構を観賞できるモデルとなっている。25本のみが製作される限定モデルだ。
2016年発売の時計を新しい視点から見直した新作
独立系マニュファクチュールであるアーミン・シュトロームは、2016年にレゾナンス(共振)という物理現象の長所をこれまでにない形で取り入れた時計「ミラード・フォース・レゾナンス」を発売し、時計業界に驚きを与えた。計時の精密さと規則性における新たなスタンダードを築き上げている。
手巻き(Cal.ARF21)。39石。パワーリザーブ約48時間。2万5200振動/時。SSケース(直径43.00mm、厚さ11.55mm)。5気圧防水。世界限定25本。予価870万円(税込み)。
デザインを一新した今作は、マイルストーンを築いた2016年発売の時計がベースとなっている。群を抜く時計の安定性を確立した魅力的な技術を取り入れ、洗練された新しいデザインコードの中に組み込まれている。
オープンワークによって、同期しているふたつのテンプとオフセンターに配されたダイアルの間からのぞく、ふたつのテンプ受けは特に目を引く存在だ。一方が時計回り、他方が反時計周りするふたつのセコンドカウンターは、2時位置のプッシャーでゼロにリセットすることができ、共振していく様子がよくわかるようになっている。
高精度マリンクロノメーターの黄金期にならい、レリーフのテキストが入ったミラード・フォース・レゾナンスのメインプレートには刻印が施され、独特の輪郭をしている。レゾナンスの創意的な特徴は、それぞれ独自のエネルギー源と輪列で動きながら同期するふたつの輪列構造である。それを強調し、反映するように、ムーブメントのブリッジと輪列がオープンで配置されている。面取りはすべて手作業で行われ、表面の仕上げはサテン仕上げと鏡面仕上げをミックスしてオートオルロジュリーの本質が感じられる。
最新化されたのはムーブメントや構造だけではない。例えば、ラチェットホイールやツメは、懐中時計に使用されているパーツにインスピレーションを得て、巻き上げ時に滑らかな感触を得られるように工夫が施されている。
アーミン・シュトロームの共同設立者であり、マスターウォッチメーカーを務めるクロード・グライスラーは次のように語る。
「オープンワークのレゾナンス・ムーブメントは、当社独自の特許取得済みシステムの独創性を強調するものであります。しかし、何より素晴らしいのは、この新しいミラード・フォース・レゾナンスがよりスリムになったことです。この非凡なタイムピースのエルゴノミックス(人間工学)と総体的なバランスにぜひご注目いただきたい」
新生ミラード・フォース・レゾナンスのファースト・エディションは25本の限定生産だ。このシリーズには独自のディティールも豊富に見られ、特殊性にさらに磨きがかかっている。ラチェットホイールとバレルの間にあるフィンガースタイルのふたつのブリッジはホワイトゴールド製で、オパーリンダイアルは温かみのあるブラックゴールド仕上げとなっている。さらに、アーミン・シュトロームの通常の5年間保証に代わる10年間保証が用意されている。
特許取得済みのレゾナンス・クラッチ・スプリングとは
アーミン・シュトロームはレゾナンス・クラッチ・スプリングを開発し、特許を取得した。着想から開発・製造まで、すべての工程をビールのアーミン・シュトロームの工房で行い、熱心な研究が何年もの期間にわたって行われた。
レゾナンス・クラッチ・スプリングはスティールでできており、ふたつのひげゼンマイの間でエネルギーを移動させながら、テンプを素早く共振させるように設計されている。共振は同時に逆方向に振動するふたつのテンプを同期させることによって、より規則的な計時が可能になる。
ふたつのひげゼンマイとそのテンプを結ぶ柔軟なサスペンション連結部であるレゾナンス・クラッチ・スプリングにより、アーミン・シュトロームのレゾナンスウォッチはどれも衝撃や振動に対し、標準的な機械式ムーブメントより強い耐性を備えている。
また、スティール製のレゾナンス・クラッチ・スプリングはシリコンなどのハイテク素材より安定した性能を示すだけでなく、温度の変動に対しても優れた耐性を備えている。また耐用年数を引き上げ、有用性を高めるために、実績ある素材や現代的な方法を利用していることから、将来的にも有望な技術であるといえるのだ。
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