2022年2月に再始動を果たしたキングセイコー。今回発表されたのは、1965年当時の“KSK”復刻デザイン限定モデルと、亀戸天神社の藤波に着想を得たスペシャルエディションモデルだ。それぞれ2022年7月8日(金)より発売される予定である。
2代目キングセイコー”KSK”の意匠を継ぐ限定モデル
キングセイコーから、2本の新作が登場した。ブランドの歴史を体現するのは、先ず紹介する「“KSK”復刻デザイン限定モデル」だ。
自動巻き(Cal.6L35)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径38.1mm、厚さ11.4mm)。5気圧防水。38万5000円(税込み)。世界限定1700本(うち国内700本)。
2代目キングセイコー“KSK”は、キングセイコー誕生から4年後の1965年に誕生。1961年に発売された初代モデルにはなかった防水性能や、秒針を止めて時刻合わせができる秒針規制装置を備え、実用的な進化が高く評価されたモデルだ。
無駄のないダイアルレイアウト、エッジを際立たせたシャープなケーススタイリングやボックス型のガラス形状など、キングセイコーデザインのオリジナリティを確立したモデルである。
本作は“KSK”のデザインの特徴を忠実に再現しながら、オリジナルのステンレススティールモデルにはないエレガントなデザインを加えた限定モデルだ。ダイアルにはシャンパンシルバーを用い、多面カットが施されたインデックスとシャープな形状の針にはイエローゴールドカラーを採用して華やかさを演出している。
“KSK”オリジナルモデルと同様に歪みのない鏡面仕上げが施されたケースは、シャープな形状が特徴的だ。当時のアクリルガラスのシルエットをより広い見切りで再現すべく開発されたボックス型サファイアガラスには内面無反射コーティングを施すことで、どの角度から見ても高い視認性を実現している。
“KSK”オリジナルモデルに搭載されたムーブメントは手巻式だったが、本作ではセイコーの現行機種において最も薄い自動巻キャリバー6L35を採用することでオリジナルモデルに対しわずか0.5mm差に抑えた11.4mmという装着感に優れるスリムなフォルムを実現している。
またスクリュー式の裏蓋には、シリアルナンバーと「LIMITED EDITION」の文字が入る。販売されるのは全国のセイコーウオッチサロンだ。
亀戸天神社の藤棚をイメージしたパープル文字盤
次に紹介するのは、東京亀戸に存在したセイコーの機械式時計工場の近くに佇む、亀戸天神社の藤棚にインスパイアされたスペシャルエディションだ。
亀戸天神社は、春になると見事な藤の花が咲き誇ることで有名である。その藤棚は江戸時代の浮世絵にも描き残され、現在も多くの人々に親しまれている。
本作は藤の美しさを表現した柔らかな紫色のダイアルに放射仕上げを施し、繊細なグラデーションを加えることで、亀戸天神社の藤波(風で波のように揺れ動く藤の花)を表現している。
自動巻き(Cal.6R31)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径37.0mm、厚さ12.1mm)。10気圧防水。セイコーブティック専用モデル。21万4500円(税込み)。
こちらも1965年に発売された2代目キングセイコー“KSK”のデザインを受け継ぎ、鋭い輝きを放つ多面カットを施したインデックスと、堂々とした太く長い針により、優れた視認性を実現している。12時位置のインデックスは“KSK”から受け継いだユニークな形状で、天面に施されたライターカットのきらめきが、その個性を際立たせている。
内面無反射コーティングが施されたクラシックなボックス型形状のサファイアガラスにより高い視認性を確保し、1960年代のキングセイコーをオマージュしたフラットな多列ブレスレットは、鏡面とヘアライン仕上げに分けた多面構成の形状により、快適な装着感を生み出している。
また本作に搭載されるキャリバー6R31は、カレンダー機能を省くことでオリジナルの“KSK”と同様、ダイアルの端正な美しさを際立たせている。その一方でコンパクトな自動巻き機構と約70時間のロングパワーリザーブ性能を持ち、実用性も兼ね備えている。裏蓋には「SPECIAL EDITION」の表記がされ、セイコーブティック専用モデルとなっている。
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