2022年3月、タグ・ホイヤーは、ラボグロウンダイヤモンドを使用した新作、「タグ・ホイヤー カレラ プラズマ」を発表した。ラボグロウンダイヤモンドは、その名のとおり「ラボ(研究所・工房)」で作られたダイヤモンドで、天然ダイヤモンドと全く同じ化学組成、結晶構造、物理的特性を持っている。人工的に管理された条件下で生成することによって、ラボグロウンダイヤモンドは不純物の内包を極限まで減らすことが可能となり、非常に純度の高い、上質な輝きを実現できるまでに技術が進歩している。
ラボグロウンダイヤモンドを使用したタグ・ホイヤーの新作
タグ・ホイヤーはテクノロジーとクリエイティブの限界を再定義する
タグ・ホイヤーのCEO であるフレデリック・アルノーは「イノベーションと未開拓技術の再定義は当社のDNA に刻まれています。「タグ・ホイヤー カレラ プラズマ」とラボグロウンダイヤモンド発表により、ダイヤモンドを使用したウォッチやダイヤモンド製品全般におけるカラーやデザインの幅を広げ、カーボンとダイヤモンドのデザインやこれまでにない光の効果を極めた、息をのむような新たな素晴らしいビジョンを生み出したいのです」と、語っている。
この技術的な革新が、デザインと素材のきらめきを自在に操る新たな手法となり、ラボグロウンダイヤモンドの多様性が、どのような想像力を時計デザインにもたらすだろうか?
タグ・ホイヤー カレラ プラズマ
自動巻き(Cal.ホイヤー02 トゥールビヨン ナノグラフ)。2万8800振動/時。COSC認定クロノメーター。パワーリザーブ約65時間。アルマイトケース(直径44mm)。100m防水。5年間の国際保証。価格未定。受注生産。
「化学蒸着(CVD)技術、タグ・ホイヤーではこれを“ディアマント ド アヴァンギャルド”と呼んでいますが、この技術により、ラボグロウンダイヤモンドというかたちでカーボンの多様性を見出し、非常にユニークな形状と質感のダイヤモンドを使用した美しいタイムピースを生み出すことができるのです。類まれな素材であるラボグロウンダイヤモンドが、新しい技術の導入や実験を可能にし、デザイナー、ウォッチブランド、エンジニアのための新しい扉を開いてくれます」と、タグ・ホイヤー& LVMH ウォッチアンドジュエリー部門のチーフ・イノベーション・オフィサー、エドゥアール・ミニョンは語っている。
ラボグロウンダイヤモンドで作られたリューズ
多結晶ダイヤモンドのダイヤル
ホワイトゴールドを使用した11個のインデックスにはそれぞれラボグロウンダイヤモンドががあしらわれ、12時の位置にはそれが2 本誇らしげに並んでいる。ロジウムプレートにポリッシュ仕上げを施した時針と分針には、マットブラックのラッカーを合わせホワイトのスーパールミノバ®を塗布することで、ロジウムプレートを施したセンター針を目立たせている。
ラボグロウンダイヤモンドとは?
天然ダイヤモンド採掘の背景には、環境破壊、過酷な労働や紛争などの問題が潜んでいる。ラボグロウンダイヤモンドは製造過程で非常に大きな電力が必要だが、エシカルな生き方を選ぶ人々に注目され、海外のセレブリティにも愛用されはじめている。また、最先端の技術を用いて管理された生成プロセスによって、天然ダイヤモンドには避けられない不純物を極力少なくすることが可能だ。
不純物である窒素を一切含まない、限りなく純粋なダイヤモンドの結晶は天然では極めて少なく、僅か2%未満しか存在しないと言われている。ゆえに高価であり、希少性という価値が生じるのだ。
そしてラボグロウンダイヤモンドは、採掘などにかかるコストがないため価格を大幅に抑えることが可能だ。天然ダイヤモンドより約30~50%安く、加工品も日常にも取り入れやすい。もちろん購入して良いのは、ラボグロウンダイヤモンドであることを明記して販売される商品にのみ限ってのことだが、、、。
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