ジンより、新作「356ユーロフリーガーⅢ」が発表された。2000年の「356ユーロフリーガー」、2007年の「356ユーロフリーガーⅡ」の特徴を踏襲しつつ、より日常生活での実用性を高めたモデルに仕上がっている。日本限定100本、2022年12月発売予定だ。
日本限定で販売た「356ユーロフリーガー」と「356ユーロフリーガーⅡ」
2000年、ジンはコンパクトなパイロットクロノグラフ「356」をベースとした限定モデル、「356ユーロフリーガー」を発表した。リュウズ等を左側に配したケースとスモールセコンドを廃したシンプルなダイアル、時分針とインデックスを彩る鮮やかなイエローを特徴としたこのモデルは、日本限定わずか300本で販売され、ファンからの注目を集めた。
本作に採用されているイエローの塗料は夜光塗料ではなく、NATO軍が配備するユーロコプター内のブラックライトに反応して蛍光するものであり、まさにジン特殊時計会社の製品にふさわしいプロフェッショナル仕様であった。2007年には、それまでの強化アクリル風防からサファイアクリスタル風防へ変更する等のスペックアップを図った後継機、「356ユーロフリーガーⅡ」が日本限定200本で登場した。
15年の時を経て復活した、ユニークなコンセプトのパイロットクロノグラフ
ジンはユーロフリーガーの第3弾として、「356ユーロフリーガーⅢ」を発表した。今回も日本限定発売だが、限定数量はこれまでで最も少なく、わずか100本である。
ユーロコプターに搭載されているジン製のオンボードクロックをモチーフとした、「356ユーロフリーガー」の第3弾。スモールセコンドとスーパールミノバの採用によって、より日常生活での実用性が増している。自動巻き(Cal.SW500)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径38.5mm、厚さ15.5mm)。10気圧防水。世界限定100本。44万円(税込み)。
従来のモデルと大きく異なる点はふたつ。まず、ダイアル3時位置にスモールセコンドが配された点だ。これにより、秒単位での正確な時刻を表示することと、時計が稼働している状態であるかを容易に判別することが可能となった。インダイアルを丸ごとイエローに着色しているが、これはブラックライトによって蛍光する特殊塗料によるものだ。
もうひとつの従来のモデルと異なるポイントは、時分針とインデックスのイエローが蛍光塗料ではなく夜光塗料のスーパールミノバに変更された点だ。日本限定で販売される今作の購入者の中に、実際にユーロコプターに搭乗する機会のある人はそうそういないだろう。実生活の中では、暗所での視認性を高める夜光塗料の方が実用性は高い。今作は、より日常的な使用に配慮したスペックを与えることをコンセプトとしており、そのために塗料の種類が変更されているのである。
風防は、初代356ユーロフリーガーと同様の強化アクリル製。柔らかな印象をもたらしつつ、時計の重心を下げることにも寄与している。セリタ社のキャリバーSW500を収めたケースは、15.5mmの厚みを持つ。特別厚すぎるという訳ではないが、ケースの直径が38.5mmとコンパクトであることから、重心が下がることによる着用感向上の恩恵は大きいだろう。
ケースの9時側にリュウズやプッシュボタンを配しているのも従来から変わらない。左利きのユーザーにとって使いやすいという面もあるが、右利きのユーザーが使用した際に、リュウズを何かに引っ掛けたり、手の甲に当たったりといった事象を排除する目的もある。
ケースバックには100本中の何本であるかを示す数字が刻印されており、限定モデルならではの特別感を味わうことができる。ストラップは、タフな印象のリベット付きカウレザー製。より実用性を増したユーロフリーガー最新作は、2022年12月発売予定だ。
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