ルイ・ヴィトンは、5つの仕掛けを持つオートマタ機構を搭載した「タンブール オペラ オートマタ」を発表した。中国伝統芸能のひとつである川劇の「変面」からインスピレーションを得たこのモデルは、オートマタの他にジャンピングアワー、レトログラードミニッツ、パワーリザーブインディケーター機構を備えている。
手巻き(Cal.LV525)。50石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約100時間。18KPGケース(直径46.8mm、厚さ14.4mm)。30m防水。6919万円(税込み参考価格)。
ルイ・ヴィトン「タンブール オペラ オートマタ」
ルイ・ヴィトンは、オートマタムーブメントを搭載した新作「タンブール オペラ オートマタ」を発表した。精緻な装飾が施されたこのモデルは、川劇の「変面」にインスピレーションを得たものだ。
川劇とは、中国・四川省の伝統芸能で、顔につけた面を瞬時に切り替える「変面」が特徴だ。変面師は約20種類もの面を次々と付け替え、さまざまな表情を見せていく。絹のように薄い生地でできた面を、素早い手の動きや優雅な扇の動きで出現させたり消したりする技法は秘伝とされ、中国の国家機密として守られている。
ダイアル上の顔は、変面で使用される面がモチーフだ。2時位置のプッシュボタンを押すと、ピンクゴールドでできたドラゴンの頭が立ち上がり、面の額に刻まれたジャンピングアワーが姿を現す。赤い扇に巻き付いたドラゴンの尾が、レトログラードミニッツを表示する。
また、面の表情も変化する。右目の瞼が下がり、左目にはモノグラム・スターフラワーが現れ、顎が動いて歯を食いしばる。
ジャンピングアワーとレトログラードミニッツを備えたこのキャリバーLV 525は、開発に2年を超える歳月を要した。「タンブール カルペ・ディエム」と同じく、時刻はオートマタを作動させることでのみダイアル上に表示される。合計426個の部品で構成されるこのムーブメントは約100時間ものパワーリザーブを有している。
ムーブメントを製作したのは、同社のウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」のマスターウォッチメーカーであるミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニだ。
クロワゾネエナメルで仕上げられたダイアルの面は、著名なエナメル職人アニタ・ポルシェが手がけたもの。レトログラード表示の扇は、シャンルベエナメル技法を用いて仕上げられている。
ダイアル上で躍動するドラゴンは、スイス人彫金師のディック・スティーンマンが約2週間かけて製作したものだ。ピンクゴールド製のこのドラゴンには、精緻なエングレービングが施され、目にはルビーが嵌め込まれている。
https://www.webchronos.net/news/56613/
https://www.webchronos.net/news/64241/
https://www.webchronos.net/news/77117/