パテック フィリップのレディスモデルに、年次カレンダーを搭載したジュエリーなしの「アクアノート・ルーチェ 年次カレンダー」5261R-001が登場した。これは、高級機械式時計のマーケットが本格的に女性にも広がっていくことの始まりとなるかもしれない。
自動巻き(Cal.26-330 S QA LU)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。18KRGケース(直径39.9mm、厚さ10.94mm)。3気圧防水。827万2000円(税込み)。
アクアノート・コレクション初となる年次カレンダー搭載モデル
2004年に発表されたアクアノート・ルーチェ・コレクションは、1997年に発表されたアクアノートを女性向けに再解釈したモデルである。ステンレススティールのケースにクォーツムーブメントを搭載し、いくつかのカラー文字盤とそれにマッチするバンドを組み合わせたモデル(5267/200A-001、5267/200A-010、5267/200A-011モデル)、18Kローズゴールドケースの自動巻きモデル(5268/200R-010)が発表されている。
また、最も高度なジェム・セッティング技術を組み合わせたハイジュエリーバージョン(5062/450R-001)、バゲットカットのダイヤモンド付きベゼルと2トーンの彫刻入りマザー・オブ・パール文字盤を採用したモデル(5072R-001)が存在する。
数年にわたりパテック フィリップは、アクアノート・ルーチェに日常生活で有用なコンプリケーションを搭載し、より日常使いにエレガントな要素を組み合わせた“カジュアル・シック”なレディスモデルを強化する取り組みを続けてきた。
2021年発表のアクアノート・ルーチェ・トラベルタイム・デュアル・タイムゾーン5269/200R-001モデル、および2022年発表のアクアノート・ルーチェ“レインボー”自動巻きクロノグラフ7968/300R-001モデルに続き、今回発表されたモデルは曜日、日付、月のすべてを表示し、1年に1回、2月末にのみ日付調整を必要とする1996年に特許取得の年次カレンダーを搭載した、新しいアクアノート・ルーチェ年次カレンダーである。
パフォーマンスが最適化された新しい自動巻きキャリバー
直径39.9mmのケースには21Kゴールドの中央ローター、ムーンフェイズを含む年次カレンダー・モジュールを備えた自動巻きムーブメント、キャリバー26-330 S QA LUが搭載されている。ケース内の年次カレンダー・モジュールが反転されたことにより、年次カレンダーを搭載したほかのパテック フィリップのタイムピースと比較して珍しい表示になっている。
6時位置に日付表示窓、12時位置にムーンフェイズ表示窓、3時と9時位置にそれぞれ曜日と月表示サブダイアルが配置されている。ムーンフェイズ表示は実際の月の満ち欠けサイクルとの誤差が122年間に1日という驚異的な精度を誇る。
ムーブメントは2019年に発表されたカラトラバ・ウィークリー・カレンダー5212A-001モデルに搭載されたキャリバー26-330をベースとしている。このムーブメントは、秒針の振れを防ぐ特許取得のアンチ・バックラッシュ歯車、自動巻き機能の効率と寿命が向上する特許取得のクラッチ・ホイールなど、巻き上げ性能を特に向上させる技術革新が詰め込まれている。
リュウズが時刻合わせの位置に引き出されると、テンプを即時に停止させる“ストップ・セコンド機能”により、秒単位の時刻合わせが可能である。リュウズを押し戻すと、テンプに小さな衝撃が与えられ、テンプは再び動き始める。
カジュアル・エレガンスと完璧な視認性
18Kローズゴールドのケースと丸みを帯びた8角形ベゼルが象徴的なアクアノートのデザインは、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げが使い分けられ、ふたつの輝きが生み出すコントラストによって強調されている。文字盤とバンドを飾るブルーグレーのトーンはエレガントで、カジュアル・シックなスタイルを際立たせている。
この洗練された色合いは、2018年から19年までにラインナップされた、ステンレススティール仕様のライトブルーのアクアノート・ルーチェ5067A-025モデルで、すでに多くの女性の心をつかんでいる。
アクアノート・エンボス・パターンで装飾された文字盤は、ローズゴールドの植字アラビア文字とバトン型の時分針を配し、いずれもホワイトの夜光剤が塗られ、優れた視認性を保証する。文字盤のエンボス・モチーフとリンクするパターンを持つバンド部分は快適な装着感と牽引、摩耗、塩水、紫外線に対する高い耐性を備えている。
特許取得のパテック フィリップ折り畳み式バックルは、独立した4つの留め金により安全性が高められている。
39.9mm径は男性でも十分使うことができるユニセックスなサイズである。本作の発表により、少し小さめの時計を探している男性にも選択の幅が広がるのではないだろうか。また、ジュエリーなしのモデルを探している女性にとっても魅力的な新作であり、入手困難必至であることを除けばぜひ手に取って実物を見てみたいモデルである。
https://www.webchronos.net/features/93342/
https://www.webchronos.net/features/35355/
https://www.webchronos.net/features/88228/