ルイ・ヴィトンから、メゾン初となる自社製自動巻きオートマタムーブメントを搭載した「タンブール ファイアリー ハート オートマタ」が発表となった。ジュネーブに構えるメゾンのウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」によって生み出された、サヴォアフェールが凝縮されたタイムピースだ。
“綺麗な薔薇には棘がある”
独創的なアイディアがあらゆる視点から組み込まれた初の自社製自動巻きオートマタムーブメントを搭載した「タンブール ファイアリー ハート オートマタ」はエングレービングが施されたグラン・フーエナメルダイアルのキャンディのような鮮やかな色合いと魅力的なテクスチャーを持つ。搭載されるムーブメントは高い精度を誇り、独創性とともに鋭い知性が秘められている。
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自動巻き(Cal.LFT325)。67石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KPGケース(直径42.0mm、厚さ13.00mm)。50m防水。価格要問い合わせ。
本ダイアルはシャンルベエナメルとクロワゾネエナメルの組み合わせを通して、さまざまな要素が表現されている。シャンルベとはダイアルの表面素材を削ってできたくぼみにエナメルパウダーを流し込んで焼成する技法で、後者のクロワゾネは細い金線を手作業で丁寧に成形してダイアルの表面に固定し、小さな仕切りを作ってそこにエナメルを充填する技法である。
グラン・フーエナメルの技術には、繊細なタッチ、長年の経験、そして高度に訓練された技術的なアプローチが求められる。「エスカルスピン・タイム オンリーウォッチ」のダイアルを手掛けた伝説的なエナメル師であるアニタ・ポルシェなど、現在もっとも尊敬されているエナメルアーティストたちとのコラボレーションを経て、メゾンはマスター・エナメラーの熟練の手の元でこの貴重な技術をインハウスのサヴォアフェールとして誇っている。
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ルイ・ヴィトンのハイウォッチメイキングは21世紀初頭から始まり、これまでの間に何作かは特別な顧客のために、オートマタを搭載したタイムピースのスペシャルオーダーをごく少数受注製作していたという。そして2021年、メゾンはジュネーヴ時計グランプリ(GPHG)に「タンブール カルぺ・ディエム」を出品し、その時に初めてそれまで謎に包まれてきたメゾンにおけるハイウォッチメイキングの専門知識が明らかになった。
同コンペティションにおいて、このジャンピングアワーのオートマタウォッチは、審査委員会がふさわしい候補者を認めた場合にのみ与えられる裁量部門である「オーダシティ賞」を受賞するという栄誉を得た。
ルイ・ヴィトンは、オートマタ搭載タイムピースの領域でさらに次の一歩を踏み出し、情熱とサヴォアフェールの融合をテーマに探求を続けてきた。高揚感に溢れる「カルぺ・ディエム」(スカルとスカルに絡まる蛇が動き出すモデル。蛇にはアニタ・ポルシェ氏によるエナメル細密画が施されている)、そして本作「タンブール ファイアリー ハート オートマタ」はその二面性が作品の魅力である。
薔薇、絡み合う蔓、そして鋭い棘というモチーフが、メゾンがエナメルダイアルの「エスカル スピン・タイム オンリー ウォッチ」(2019年)で最初に採用した時よりもさらに進化し、今回再登場している点にも着目したい。
8時位置のボタンを押すことで「タンブール ファイアリー ハート オートマタ」のダイアルのアニメーションが始まる。
針には棘の装飾が施され、内向きに棘が生えた蔓で囲まれたサブダイアルが時刻を告げる。“時間とは時に危険なもの”というメッセージを伝えるかのように存在感を示している。
特別に製作されたキャリバー LFT325
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専用ムーブメントは古来より、時計界において名声を物語るものとされてきた。マイクロブラスト仕上げのムーブメントブリッジには、18Kピンクゴールドの棘が生えた薔薇の茎があらしらわれ、オープンワークの部分から垣間見える露出した歯車を包み込む。18Kピンクゴールドのローター、そして12時位置のオートマタレギュレーターブリッジにも、モノグラム・フラワーのエングレービングとオープンワークが施されている。
これらのひとつひとつ、どれを見ても長時間の研究と開発、そして高いレベルを求めて探求を止まない職人技を感じ取ることができる。
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ルイ・ヴィトンのハイウォッチメイキングに頻繁に登場するフライングトゥールビヨンをダイアル側にオートマタを備えた自動巻きムーブメントと組み合わせたのは「タンブール ファイアリー ハート オートマタ」が初となる。オートマタは専用ゼンマイで駆動するため、フライングトゥールビヨンは65時間のムーブメントパワーリザーブを通じて、高いレベルでのクロノメーター性能を維持することができる。
まるで魔法のように動き出すダイアルは、オープンケースバックからそのムーブメントを観賞することができる。ムーブメントの右上隅にあるオープンワークのブリッジからは、自動巻きゼンマイ、動輪、レギュレーターが動く様子を確認できる。この複雑な機構が7つのダイアルから成るオートマタに動力を供給し、その動作時間を町営し、動作速度まで制御する役割を持つ。
ダイアル上では、ハートを開いて秘密のメッセージを明らかにするところから、回転するモノグラム・フラワー、舞い上がる炎、浮かび上がる棘まで、オートマタの優雅な動きが公営度に調整され、13秒にわたってアニメーションが繰り広げられる。
ぜひとも動くところを実際に見てみたい1本であるが、稀少性の高い作品だ。
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