ルイ・ヴィトンは、サファイアクリスタル製のケースを採用したウォッチコレクションとして、史上初のジュネーヴシールを取得した「タンブールムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイアクリスタル」の新モデルを発表した。クラフツマンシップが凝縮されたグリーンとイエローのふたつのケースに収められた新作が追加された。
純金やプラチナのように変質することがなく、ダイヤモンドに負けない硬度を持つ合成サファイアクリスタル
酸化アルミニウムを約2000℃の温度で加熱することで得られる鉱物は、20世紀初頭にフランス人化学者オーギュスト・ヴィクトル・ルイ・ヴェルヌーイによってこの製法が発明されて以来、時計業界では機械式ムーブメントに用いるルビーを生産するためにこの製法を使用し、1980年代に一気に開発が進んだことで、時計業界はスポーツウォッチ用サファイアクリスタルの製造に初めて成功し、その10年後にはケースも完成させた。
手巻き(Cal.LV90)。17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。イエローサファイアケース(直径42.5mm、厚さ9.90mm)。30m防水。価格要問い合わせ。
経年劣化することがない貴重な素材のひとつとして「ラ・ファブリク・デュ・タン・ルイ・ヴィトン」ではその可能性を早期に見出し、キャリバーLV90を外部ストレスから保護するために使用しはじめた。フライングトゥールビヨンによって制御される優れたオープンワークムーブメントは定期的なケアさえ行えば、事実上無限の寿命を保つことが約束される。
「タンブールムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイアクリスタル」の発表以来、マニュファクチュールのエンジニアたちは、合成サファイアの応用のエキスパートとして活躍している。そして彼らは今年、正しい配合とこれまで密かに守られてきた割合から成る最も純粋な金属酸化物を発見するに至ったという。
こうして完成させたのが、半透明の質感、色合い、蛍光色の輝きを放つ2つの新作ウォッチである。1本目のサファイアケースはエレクトリックイエロー、2本目は温かみのあるグリーンがアクセントカラーとなっている。
手巻き(Cal.LV90)。17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。グリーンサファイアクリスタルケース(直径42.5mm、厚さ9.90mm)。30m防水。価格要問い合わせ。
200kg近いサファイアクリスタルのブロックから切削されるパーツの製作工程
各ウォッチのケースミドル、ケースバック、そしてLVロゴを配したブリッジについて、全く同じ色合いを実現するために日本で着色加工された200kg近いサファイアクリスタルブロックの中心から抜き出された直径50mm、長さ150mmの円柱が使用されている。
各パーツは、このサファイアクリスタルの円柱からダイヤモンドツールを使って切り出され、最終的な寸法に仕上げられる。こういて作られたすべての構成要素は、丁寧な磨き上げの工程を経て、抜群の透明感とともに2つの豊かな色彩が生まれる。
それぞれの合成サファイアクリスタルケース全体の製作には、ダイヤモンド工具を使用したデジタル制御の機械によるおよそ420時間におよぶ複雑な作業を要する。ケースミドル、ベゼル、風防からなる厚さ10mmの一体型パーツだけでも、100時間の切削加工と150時間の研磨が必要だ。
ケースバックは約50時間の機械加工と約60時間の手作業と機械による仕上げを経て完全に透明な状態となって初めて組み立ての準備が整う。最後に、LVロゴが配された透明なブリッジは、20時間のカッティングと40時間の手作業による仕上げを経て、光を完璧に透過させることができるパーツが完成する。
2017年に登場した「タンブール ムーン」の美しい曲線を描くケースミドルの外側には「LOUIS VUITTON」を形作る12文字が刻まれている。そのデザインによりタイムピースのフェイスが非常にオープンな印象に仕上がっているベゼルフランジ上のインデックスと同様に、12個のアルファベットにはブラックの繊細なラッカー仕上げが施されている。
ブラックPVD加工のチタニウム製のふたつのホーンはネジで取り付けられ、最後に繊細なムーブメントを外的ストレスから守るために、直径42.5mm、厚さ9.9mmのケースが30mまでの防水性を保証する。これは、ケースミドルとねじ込み式ケースバックの間に配置された透明ガスケットによって実現される性能である。
ガスケットとは、気密性や液密性を保たせるために使用される固定用のシール材である。(パッキンは往復や回転といった運動面に用いられるシールのことを指すが、ガスケットは静止面に用いられるシールのことを指す)
魅せるメカニズム
ブリッジとプレートは、一連のマットブラックのサークルで構成されている。この自己相似性を持つデザインは、繊細な捻れや回転を伴いながら、象徴的なモノグラム・フラワーのモチーフがキャリッジに精巧なオープンワークでフライングトゥールビヨンへとダイレクトに視線を惹きつける。
本作は、針の外観にいたるまで計算しつくされている。真ん中がくり抜かれた軽やかな針は、その下にあるサークルから湧き出て空中に浮かんでいるように見える。
また、「タンブールムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイアクリスタル」のこれまでのバージョンと同様に、現時点ではサファイアケースモデルとしては世界で唯一、卓越した品質を保証する認証としてジュネーヴシールが付与されている。
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