セイコータイムクリエーションは、金工作家 宮田亮平氏が手がけた鋳造作品とスケルトンクロックを組み合わせたアーティスティックな置時計「デコールセイコー シュプリンゲンクロック 翔」を披露した。本作はセイコーの高級クロックブランド「デコール セイコー」発のコラボクロックとして登場し、10台の数量限定で6月10日より販売される。
本作は、雪梁舎美術館(新潟市)にて5月20日より開催中のMIYATA展に合わせて、館内ミュージアムショップでも販売される。クォーツ。電池寿命約3年。アルミ製鋳造枠と木台(高さ321mm×幅430mm×奥行き160mm)。220万円(税込み)。10本限定。
2頭のイルカが波間を翔るアートクロック
セイコークロックを代表する3ブランドのひとつ、デコール セイコーは、国産時計としてのクォリティと芸術性を追求する工芸品や宝飾品の側面が強いプレステージラインだ。
今回セイコーは、このデコールセイコーと、前文化庁長官で公益社団法人日展 理事長、日本芸術院会員の金工作家 宮田亮平氏とのコラボレーションを発表。同氏が手がけた鋳造作品とスケルトンクロックを組み合わせたアートクロックを披露した。
同氏は、躍動感のあるイルカを題材とした、ドイツ語で飛翔を意味する「シュプリンゲン」というモチーフで広く知られている。本作の鋳造枠ではこのシュプリンゲンがエメラルドの波と2頭のイルカによって表現されており、時計の上でイルカが大海原を翔る、生命力溢れるコラボクロックが製作された。
この鋳造枠は、デコールセイコーのために作られたオリジナル作品であり、アルミ鋳造に蒔絵技法を用いた箔巻きを施して仕上げられた。鋳造後の組立、彩色、加飾仕上げまでの全ての工程を一点一点宮田氏自身が手がけており、10本という少数生産に見合うあまりに見事な工芸作品が完成している。
波間にある時計部には、宙に浮いているような印象を受けるクオーツ・スケルトンムーブメントを採用。鋳造枠の制作後にセイコータイムクリエーションの熟練の技師によって最終組み上げが行われており、美術工芸作品と精密な工業製品が完全に調和する、全く新しい世界観が生み出された。
なお、ダイアルからのぞく精緻な輪列の機構は機械式時計を彷彿とさせるものだが、本作は乾電池駆動のクォーツクロックであるため、観る人の目を楽しませつつも正確な時を刻むようになっている。
宮田亮平(みやた・りょうへい)
金工作家。日本芸術院会員。元文化庁長官。1945年生まれ。1972年に東京藝術大学大学院 鍛金専攻を修了し、ドイツの文部省在外研究員を経て、1997年から2016年まで東京藝術大学の教授と学長を務めた(現在は名誉教授・顧問に就任)。日本美術展覧会などの美術展で多くの受賞を果たしており、2023年現在では国立工芸館を始め、美術に関連する多くの機関で顧問及び理事、会長に就任している。
https://www.webchronos.net/features/92707/
https://www.webchronos.net/news/95898/
https://www.webchronos.net/features/94179/