セイコーにおける薄型メカニカルウォッチの原点であるクレドール「セイコー ゴールドフェザー」がクレドールの名のもと、60余年の時を経て復活する。その名の通り、着け心地が羽根のように上品で柔らかな薄型ドレスウォッチであり、搭載するムーブメントは当時の世界最薄である2.95mmのムーブメントだった。今回発売されるのは18Kイエローゴールドモデル(限定)、および18Kピンクゴールドモデルの2種である。
「セイコー ゴールドフェザー」から「クレドール ゴールドフェザー」へ
1950年代、セイコーの機械式時計開発の歴史において多くの技術者たちが目指したのは高精度化と薄型化のふたつのテーマだった。1960年代に誕生したふたつの時計のうちのひとつが高精度を追求した「グランドセイコー」、そしてもうひとつが薄型を極めた「セイコー ゴールドフェザー」である。
手巻き(Cal.6890)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約37時間。18KYGケース(直径37.1mm、厚さ7.7mm)。日常生活用防水。世界限定30本。341万円(税込み)。
その名の通り、着け心地が羽根に触れたように上品で柔らかい薄型ドレスウォッチに搭載されたキャリバー60は、画期的な新設計によって開発された当時の世界最薄である厚さ2.95mmの中三針(中心に秒針の付いた)腕時計のムーブメントだった。
このキャリバー60の設計思想を受け継ぎ、1969年には2針ムーブメントで世界有数の薄さを誇る1.98mmのキャリバー6800を開発し、「セイコー U.T.D(Ultra Thin Dress)」モデルとして発表した。その後キャリバー68系は1993年以降クレドールを代表する薄型メカニカルムーブメントとして多くのモデルに搭載され、現在にいたる。
レギュラーモデルは18Kピンクゴールドケース
手巻き(Cal.6890)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約37時間。18KPGケース(直径37.1mm、厚さ7.7mm)。日常生活用防水。330万円(税込み)。
ケースの素材違いがレギュラーモデルとして発売になる。こちらは8月11日からクレドールサロンで先行発売され、クレドールショップでは2024年の4月上旬から発売される予定だ。両モデルともダイアルの下部には1960年の「ゴールドフェザー」ロゴを現代的にブラアッシュアップし、コレクションロゴとして印刷している。
5つのデザインコンセプト
本作のケースは5つのデザインコンセプトに基づき、丸みを帯びた優美でおおらかな造形と袖口に収まりやすい薄さの両立を図っている。羽根のように「軽く」「軽やかで」「空気をはらみ」「艶やかで」「優美」であることがデザインコンセプトとなっている。
さらに、ムーブメントをケースに直接固定し、裏蓋のサイズを最小化する新構造を採用したことにより、ケース裏側の斜面が広くなり、腕に付けた際に実際の厚さよりも薄く見えるデザインとなっている。
立体感のあるボックス型サファイアガラスはダイアルの上に空気をはらんだような柔らかい空間を作りだしている。ダイアルは外周に向かって緩やかにカーブさせ、羽根をイメージした放射仕上げを施している。腕に触れる部分はすべて曲面で構成されているため、着け心地が優しい点にもデザインコンセプトが生かされている。
エレガントな風貌を持つ2本の新しいゴールドフェザーは、セイコーの歴史を語る上でも重要な起点となる1本をルーツに持つ時計である。着け心地や触れた感触をより磨きぬいた本作はその薄さと軽やかさを実機で試してみたいと思わせる、現代の高級薄型メカニカルウォッチである。
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