ルイ・ヴィトンは、新作タイムピース「タンブール アインシュタイン オートマタ オンリーウォッチ2023」を披露した。本作は2023年11月5日にジュネーヴで開催予定のチャリティーオークション「オンリーウォッチ2023」に出品されるユニークピースであり、メゾンとアインシュタインにちなんだ仕掛けが各所に見られるオートマタに注目だ。
ルイ・ヴィトン「タンブール アインシュタイン オートマタ オンリーウォッチ2023」
「オンリーウォッチ」は指定難病・デュシェンヌ型筋ジストロフィーを認知させ、また臨床研究資金を募るために、2005年に創設された腕時計のチャリティーオークションだ。今回、オンリーウォッチ2023に10回連続となる参加を表明したルイ・ヴィトンは、新作「タンブール アインシュタイン オートマタ オンリーウォッチ 2023」の出品を発表した。
時針・分針を持たない本作は、ボタン操作によってジャンピングアワーとレトログラードミニッツが駆動し、オンデマンドで時刻を告知する仕組みが採用された。自動巻き(Cal.LV525)。50石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約100時間。SSケース(直径46.8mm、厚さ14.4mm)。30m防水。ユニークピース。
本作はアインシュタインのモチーフとルイ・ヴィトンのアイコン、精巧なオートマタが融合した、メゾンのハイウォッチメイキングを象徴するタイムピースに仕上がっている。そして、その最大の見どころであるダイアルでは、アトリエが誇る職人技によって彼の最も有名な写真が再解釈され、あまりに大胆なアインシュタインの肖像が作り上げられた。
このダイアルにあしらわれたユニークな意匠の数々は、時刻表示とオートマタ機構を備えている。ダイアルからケースサイドに飛び出したアインシュタインの髪の房を操作すると、額中央の「T=?」が変化し時間を表示。同時に7時位置の原子格子が分表示を行い、時刻を告げる。また、この時間表示とともにオートマタも駆動し、左目に配されたブルーラッカーのモノグラムフラワーとアインシュタインの舌がアニメートするようになっている。
立体的な肖像についてはホワイトゴールド製であり、ウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」に属するふたりの名工によって彫金とエナメル加工が施された。彫金を担当したのはディック・ スティーンマン。工芸の枠を超えた微細彫刻によって、平面の写真画像から生き写しの肖像が作り上げられた。
一方、エナメル加工についてはニコラ・ドゥーブレルの技が求められた。今回、2色のエナメルで明暗を作り出し立体感を表現するグリザイユエナメルという伝統技法が採用されているが、本作はメゾン史上初めてこの技法が用いられたタイムピースとなった。
さらに、ドゥーブレルは肖像の横の走り書きも担当しており、半透明の黒エナメルをベースに白エナメルを何度も塗り重ねることで、まるで黒板にチョークで書いたような走り書きを再現している。
ムーブメントには、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」で製造された手巻き式キャリバーLV525を搭載する。キャリバーLV525は2021年にGPHGでオーダシティ賞受賞を果たした「タンブール カルペ・ディエム」にも採用されており、426もの部品で構成される本機は丹念に磨き上げられた装飾と約100時間のロングパワーリザーブを備えている。
ルイ・ヴィトン ウォッチ部門ディレクターのジャン・アルノーは、今回の出品に対し、「ルイ・ヴィトンのハイウォッチメイキングが生み出した最高傑作を発表する場として、これに勝る機会は考えられません。今回の出品が、より明るい世界を築くというオンリーウォッチの目的を達成する一助になれることを光栄に思います」と語った。
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