アーミン・シュトロームが「グラヴィティ・イークォル・フォース オンリーウォッチ 2023」を発表

2023.08.09

2年に1度開催されるチャリティー・オークション「Only Watch」の第10回目の開催にあたり、アーミン・シュトロームが「グラヴィティ・イークォル・フォース オンリーウォッチ 2023」を発表した。本作はムーブメント内の動力伝達の定力化を図った同名モデルの特別仕様で、オフセンターダイアルがグリーンのサファイアクリスタル製となっていることが大きな特徴だ。

アーミン・シュトローム「グラヴィティ・イークォル・フォース オンリーウォッチ 2023」

アーミン・シュトローム「グラヴィティ・イークォル・フォース オンリーウォッチ 2023」
自動巻き(Cal.ASB19)。28石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径41.0mm、厚さ12.65mm)。3気圧防水。


アーミン・シュトローム「グラヴィティ・イークォル・フォース オンリーウォッチ 2023」

 Only Watchは指定難病の小児疾患のひとつである、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの研究資金調達を目的に行われているチャリティーオークションイベントで、今回で10回目となる。アーミン・シュトロームは、Only Watch創設者のリュック・ベタヴィーノの活動を全面的に支持しており、その出品は今回で5回目。本作は、難病克服という希望をもたらすべく、希望の色としてグリーンをテーマに製作された。

 オフセンターダイアルは従来モデルと異なるサファイアクリスタル製となり、アーミン・シュトロームのアイコンであるトリプルブリッジ・デザインに施された上質な仕上げの輝きと組み合わされている。ダイアルとブリッジの背景となる地板には、カリ・ヴティライネンのアトリエによる手作業でのギヨシェ彫りが施されている。

アーミン・シュトローム「グラヴィティ・イークォル・フォース オンリーウォッチ 2023」

ダークグレールテニウムでコーティングされたトリプルブリッジや、オフセンターダイアルのグリーンとレッドの組み合わせはモダンな一方で、伝統的な時計装飾にのっとっている。


 搭載される自動巻きムーブメントのCal.ASB19は、コンスタントフォース・バレルと名付けられた独自機構を備える。Cal.ASB19は、テンプの作動を一定に保ち、等時性を高めるための動力伝達を均一化するというコンセプトを持つ。通常、主ゼンマイは巻き上り、あるいは巻き上げ不足の領域で、トルクが大きく変化するという特性がある。そのためCal.ASB19は、安定したトルクが得られる範囲のみを用いるのだ。この動力伝達均一化を実現する機構として香箱にクラッチ機構を組み込み、巻き上げ不足の領域ではクラッチを切って作動を停止させている。また、必要以上の巻き上がりを防ぐために主ゼンマイをスリップさせている。

アーミン・シュトローム「グラヴィティ・イークォル・フォース オンリーウォッチ 2023」

 この機構はアンティークの懐中時計から着想を得て開発されたものであり、Cal.ASB19では自動巻き機構と組み合わされて採用されている。一定の頻度で能動的に巻き上げられる手巻きムーブメントと異なり、自動巻きムーブメントでは主ゼンマイの巻き上げと力の開放が混在するため、本作の定力化機構は効果的であると考えられる。


 Cal.ASB19の見どころは、独自性のある機構だけではなく、そのデザインや仕上げにもある。オフセンターダイアル2時方向に配置されたマイクロローター、そしてローターやコンスタントフォース・バレルを支えるダークグレーのトリプルブリッジがいかにもモダンだ。ブリッジには手作業による面取りと研磨が施される他、ムーブメントの各部にはペルラージュやフロスト仕上げなどが使い分けられ、それらはすべて、現代の時計技術の最高レベルと呼べる仕上がりである。本作はトランスパレントバックを採用しており、ケースバック側からもムーブメントを鑑賞可能である。

 本作のストラップには、スポーティーな印象のあるブルーステッチが施されたブラックファブリック製が組み合わされる。



Contact info: ノーブル スタイリング  Tel.03-6277-1604



アーミン・シュトロームが開発した新コンスタントフォース・バレル搭載「グラヴィティ・イークォル・フォース」

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